「徳川家康」は意外と倹約家! 年収はどれくらいあった?どんな生活をしていたの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年11月23日 11時0分
徳川家康は織田信長、豊臣秀吉と並ぶ代表的な戦国大名です。幼い頃は人質として暮らすなど苦労をしましたが、最終的には江戸幕府を開き、名実ともに天下人になりました。 家康の性格を表現する言葉として「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」というものあります。信長、秀吉それぞれと味方として戦った経験を持ち、その間も忍耐強く、自分が天下を取るチャンスを待っていた家康。 本記事では江戸幕府初代将軍・徳川家康の年収について解説します。
倹約家だった徳川家康
天下人だった徳川家康は「さぞ気前が良かったのだろう」というイメージがある人もいるかもしれません。
しかし、家康は非常に倹約家として有名でした。幼い頃に人質生活を送っていたことから「節約する、我慢する」といった性格が形成されていったと考えられています。
・家康の倹約家エピソード
家康の倹約家エピソードは数々残されています。
例えば、大事な馬たちを飼育する厩(うまや)の修理が必要になったことがありました。その際、家康は「雨風に耐えられるように壊れたままにしておけば、馬も丈夫になる」と言い、厩の修理をしませんでした。
また、家康が征夷大将軍になったのが60歳頃の話で、亡くなったのは75歳頃です。当時としては非常に長生きであり、その理由になったのが粗食を好んでいたことだったといわれています。栄養豊富な麦飯を好んで食べ、ほかには八丁味噌やとろろも好物でした。漢方薬の処方も自ら行うほど精通していたといわれています。
・必要なものには出し惜しみしない
家康は普段徹底した倹約家でしたが、いざというときには出費を惜しみませんでした。
そのひとつが織田信長が凱旋(がいせん)帰国する旅において、駿河国(静岡県)を通る際に行った接待です。このとき、大井川と天竜川を渡らなければならず、そのために莫大(ばくだい)な人件費を要したといわれています。大井川では数千人で人垣を作ることで水の勢いを弱め、台に乗せた信長を人夫が担いで渡らせました。
また、天竜川では舟を川幅分並べて、その上に板を載せる「舟橋」を作っています。天竜川は流れが速く、舟橋を作るためにも数千人単位が必要でした。そこまでしたおかげで、信長は非常に満足をして帰国したと『徳川実紀』に記録されています。
家康の資金力は信長・秀吉を超える
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康、この3人のなかで最も倹約家で、家臣への褒美でさえもめったに出さなかったと有名なのが家康です。
しかし、そうやって倹約をしていたおかげで、家康の資産は信長や秀吉以上だったといわれています。
・家康の年収は500億円前後
家康は秀吉亡き後の大阪を攻め、天下人になりました。その際に豊臣家の財産も手に入れており、総直轄領はおよそ400万石です。ただ、そこから家臣への給料、さまざまな経費などを差し引くと、実質60~70万石が年収であったと考えられています。1石は約1両に値するので、60~70万石は約60~70万両です。
貨幣博物館による試算モデルによると1両はお米150キログラムと同等価値になります。お米10キログラムが5000円前後と考えると1両は約7万5000円、60~70万石は約450億~525億円です。つまり、家康は約450億円~525億円という高い年収を得ていたことがわかります。
・家康の収入源の多くは年貢
年収500億円前後と非常に高収入だった家康ですが、その多くは直轄領からの年貢でした。また、そのほかの収入源は金や銀などの鉱山からの収入もあったといわれています。信長が甲斐の武田家を滅亡させた際、鉱山開発を得意としていた武田家の家臣を召し抱えて、その技術を受け継ぎました。
ただ、家康自身は倹約をしつつも、南蛮品に目を奪われることも多かったことがわかっています。例えば、家康所有の南蛮胴具足がありますが、こちらはヨーロッパ制の兜や胴鎧などにアレンジを加えた非常にぜいたくな品でした。
家康は幼い頃の苦労を糧に天下人に
幼い頃から苦労をして育った徳川家康。それゆえにぜいたくを好まず、質素な食事を心がけていました。
日常から倹約をしていた家康でしたが、いざというときには大金をはたいて大胆な行動を起こすこともあったようです。その結果、江戸幕府の初代将軍となり、その年収は500億円前後と非常に高収入でした。
珍しい南蛮品には弱いといった一面もあり、戦国時代の大名のなかでも庶民的な感覚のある人物だったといえるでしょう。
出典
貨幣博物館 江戸時代の1両は今のいくら?
和歌山市の文化財 南蛮胴具足(徳川家康所用)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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