会社から勝手に有給の予定を組まれました…。これって違法ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2022年11月22日 23時0分
有給休暇は、労働者に与えられた権利の一つです。正社員やパートタイムといった雇用形態に関係なく、付与されることが法律で定められています。有給休暇の取得理由は原則として自由なため、旅行やリフレッシュなど有効に使いたいと考える人は多いでしょう。そのため、会社から一方的に予定を組まれるようなことがあれば、疑問を感じるはずです。 今回は、会社が有給休暇の予定を組むのは違法なのかどうかについて解説していきます。
有給休暇の取得は労働者の意思を尊重することが原則
有給休暇の取得時季は、原則として労働者自身が決められることになっています。これは、法律で定められていることで、会社は労働者の希望を尊重しなければなりません。
通常の労働者であれば、雇用期間が半年を経過した時点で年間10日の有給休暇が付与されます。以降、1年半を経過すると年間11日、2年半を経過すると年間12日といった具合に雇用期間に応じて有給休暇を取得できる日数が増えていくのが原則です。
そして、年間10日以上の有給休暇を付与している労働者に対して、会社側は年間5日間は有給休暇を取得させることが必要とされています。年間10日以上というのは、毎年付与される日数のことで、繰り越し分についてはカウントされません。例えば、前年度の繰り越しを含めて取得可能な日数が10日以上あったとしても、年間有給期間が9日間以下の人は対象外です。
会社側が有給休暇の取得時季を指定する場合もある
先述したように、年間の有給休暇が10日間以上ある労働者に対して、会社側は毎年5日間は有給休暇を取得させる責任があります。しかし、労働者によってはなかなか自発的に休みを取らない人もいるでしょう。その場合は、会社側が有給休暇を取得する時季を指定することができます。ただし、会社側が指定する場合であっても、労働者の希望を尊重するのが原則です。
やむなく、会社側が時季を指定するときは、事前に労働者に希望を聴取します。そして、会社側は聴取した内容をもとに希望に沿った範囲で有給休暇の取得時季を指定しなければなりません。
もしも、事前に聴取されることもなく一方的に会社側の都合で予定を組まれることがあれば、まず自分の希望を伝えてみましょう。そのうえで強制されるようなら、管轄の労働基準監督署に相談するなどの対処が必要です。また、すでに自分で希望して有給休暇を5日取得しているのに、残りの日数を会社側が一方的に予定を組むようなことも問題といえます。
労使協定を結んでいれば時間単位で取得することも可能
有給休暇は1日単位で取得することが原則ですが、労使協定を結んだうえで就業規則で規定されていれば時間単位での取得も可能です。時間単位で取得できるのは年間で5日間以内と決められていますが、短時間で済むような私用があるときは有効的な使い方ができます。
例えば、病院を受診したいときや役所での書類申請などに利用すると便利です。1日単位ではなかなか取得する機会がないという人は、会社の就業規則がどのようになっているか確認し、可能であれば時間単位で有給休暇を消化するという方法もあります。
有給休暇は労働者が自発的に取得するのが原則
有給休暇は労働者の権利であり、自発的に取得することが原則です。やむなく会社側が取得させる場合でも、事前に聴取を行ったうえで希望に沿って時季を決めなければなりません。もしも、事前聴取もなく一方的に予定を組まれたときは希望を伝えてみましょう。それでも聞き入れてもらえないときは労働基準監督署に相談するなどの対処が必要です。
出典
厚生労働省 労働者の方へ
厚生労働省 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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