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副業がある会社員は帳簿書類が必須に? 事業所得と雑所得の新しい判断基準

ファイナンシャルフィールド / 2022年11月25日 9時40分

副業がある会社員は帳簿書類が必須に? 事業所得と雑所得の新しい判断基準

副業に興味のある会社員の方は、数多くいるのではないでしょうか。   そんな中、副業収入が 300万円以下であれば雑所得とする、というニュースが話題になりました。すでに副業を行っている方にとって、衝撃が走ったのではないでしょうか?   なぜなら、副業を事業所得とするのであれば、青色申告による最大65万円の所得控除が受けられるからです。   今後副業をお考えの方も、税金を多くとられてしまうのではないかなど、疑問や不安を抱いた方もいるかもしれません。   パブリックコメントでは反対意見が相次ぎ、それを受けて国税庁は、新しい事業所得と雑所得の判断基準について通達しました。   本記事では、今現在副業をしている会社員の方、今後副業を考えている会社員の方へ、国税庁が発表した、副業における事業所得と雑所得の新しい判断基準を紹介します。

判断基準は?

「雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説」より、以下の2点がポイントです
 

●事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称する程度で行っているかどうかで判定する。
 
●その所得に係る取引を記録した帳簿保存がない場合には、業務に係る雑所得に該当することに留意する。

 
さらに図表1をご覧ください
 
【図表1】
 

収入 記帳・帳簿の保存あり 記帳帳簿の保存なし
年間300万円以下 おおむね事業所得(※1) おおむね事業にかかる雑所得
年間300万円以上 業務にかかる雑所得
※資産の譲渡は譲渡所得
その他所得

 
国税庁の通達をもとに筆者が作成
 
(※1)次のような場合には、事業と認められるかを個別に判断する場合があります。
 

(1)その所得の収入金額が僅少と認められる場合

・僅少とは副業の年間収入300万円以下で、主たる年収(本業)に対する割合が10%未満の場合に該当すると考えられています。
 

(2)その所得を得るのに営利性が認められない場合

・その所得を得るのに営利性が認められない場合とは、その所得が例年赤字で赤字解消の取り組みを実施していない場合に該当すると考えられています。
 

ポイントは帳簿をつけること

図表1から読み取れるように、記帳・帳簿をしっかり記入し、保存することが重要です。帳簿をつけていない場合は雑所得扱いとなるのが、明確になっています。
 
帳簿には、取引先から得た収入金額や、必要経費などをしっかり記載しましょう。その上で、主たる収入(本業収入)の10%以上収入があり、赤字でなければおおむね事業所得という扱いになります。
 

まとめ

政府が副業を推進している動きがある中、矛盾ともとれる衝撃のニュースだったと思います。
 
副業において、税金と確定申告は避けて通れない部分があります。今回、国税庁がこのような改正案を出した背景には、過度な節税目的で、過剰に経費を盛り込むなど、いきすぎた節税が一部で行われていることも背景にあったと思われます。
 
それではまじめに働いている人や、ルールを守って副業している人に対して、平等ではありません。
 
ポイントは帳簿をしっかりつけていることです。
 
今回の通達を難しく感じてしまう方もいるかもしれませんが、簿記を学ぶことや、税理士に分からないことを聞いてみることも、視野に入れておくとよいかもしれません。
 
新しい判断基準をしっかり理解して、正しく副業を進めていきましょう。
 

出典

国税庁 雑所得の範囲の取扱いに関する所得税基本通達の解説
国税庁 「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について

   
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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