年金を支払うのが65歳までになったら支払い総額はいくらになる?何歳でもとをとれる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月1日 23時10分
![年金を支払うのが65歳までになったら支払い総額はいくらになる?何歳でもとをとれる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_172762_0-small.jpg)
年金制度の見直しに関連し、国民年金保険料の納付をこれまでの「60歳まで」から「65歳まで」に延長する議論が政府で始まっています。延長によって年金保険料の支払総額はいくらになるのでしょうか。また何歳まで生きればもとがとれるのでしょうか。 この記事では国民年金のみに加入しているケース(国民年金第1号被保険者)を例に、疑問に答えていきます。
国民年金保険の被保険者の種類と月額保険料
国民年金は日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものです。自営業、農業、漁業などに従事している人は第1号被保険者、会社勤めの人など厚生年金保険や共済組合に加入している人は第2号被保険者、第2号被保険者に扶養されている配偶者などは第3号被保険者となり、年金保険料の額や納付方法が異なります。
自分で直接納付するのは第1号被保険者のみで、保険料は一律で月額1万6590円(令和4年度)と決まっています。第2号被保険者、第3号被保険者の年金保険料は収入などによって異なるため、ここでは第1号被保険者を例に年金保険料の支払総額を算出します。
20歳から65歳までの支払総額を回収できるのは78歳4ヶ月から
国民年金保険料の金額は毎年変わりますが、ここでは令和4年度の国民年金保険料1万6590円を20歳から65歳までの45年間支払い続けたとして計算します。計算式は「1万6590円×12ヶ月×45年」で、支払総額は895万8600円です。
国民年金受給者の平均年金月額は5万6049円(令和元年度)です。支払総額を回収するのに何ヶ月かかるかの計算式は「895万8600円÷5万6049円」となり、答えは約159.8ヶ月になります。年月に直すと、受給総額が支払総額を上回るのは、65歳から受給を開始して13年4ヶ月後の78歳4ヶ月です。
納付期間が5年間延長されることで約100万円負担が増える
これまでどおり、納付期間が20歳から60歳までであれば支払総額は「1万6590円×12ヶ月×40年」となり796万3200円です。支払総額を回収するのに何ヶ月かかるかの計算式は「796万3200円÷5万6049円」となり、答えは約142ヶ月になります。
年月に直すと、受給総額が支払総額を上回るのは、65歳から受給を開始して11年11ヶ月後の76歳11ヶ月です。もとをとれる年齢は、65歳まで納付をした場合が78歳4ヶ月、従来通り60歳まで納付をした場合が76歳11ヶ月となり、大きな差はありません。
令和2年時点で20歳の人の平均余命は男性61.97歳(平均寿命は81.97歳)、女性68.04歳(平均寿命は88.04歳)で、もとを取れる年齢は平均寿命よりも若いことも分かります。
一方で、年金保険料の納付が5年間延長されることで、負担は99万5400円(1万6590円×12ヶ月×5年)増えます。国民年金保険料は年々上昇し続けているため、今後も負担額が増えることが予想され、もとを取れる年齢が上がっていく可能性は否定できません。
65歳までに支払う総額は895万8600円、もとをとれるのは78歳4ヶ月から
国民年金保険第1号被保険者の場合、年金保険料の納付が5年間延長されることにより、負担額が99万5400円増えます。20歳から65歳までに支払う総額は895万8600円です。
国民年金の平均受給月額をもとに、もとをとれる年齢を算出すると、65歳から13年4ヶ月後の78歳4ヶ月からということが分かります。今後、保険料の負担が増えることが予想されるため、もとを取れる年齢も上がっていくと考えられるでしょう。
出典
日本年金機構 「国民年金保険料の変遷」
令和元年度
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況「表20国民年金受給者の平均年金月額の推移」
厚生労働省 令和2年簡易生命表「主な年齢の平均余命」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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