1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

個人事業主と会社員、生涯年収の平均はどれくらい? 今から備えておくべきことは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月5日 3時0分

個人事業主と会社員、生涯年収の平均はどれくらい? 今から備えておくべきことは?

「老後を迎えるまでに、個人事業主と会社員ではどちらのほうが多く稼げるのだろう」という疑問を抱いている人も多いでしょう。その点が気になって、進路選びや転職を迷っている人もいるのではないでしょうか。   そこで本記事では、平均年収などのデータをもとに、個人事業主と会社員の生涯年収についてまとめました。また、老後に向けて現役時代からできる備えも紹介します。   ぜひ参考にして、自身の生涯年収がいくらくらいになりそうかシミュレーションしてみてください。

個人事業主の生涯年収の平均額

国税庁が公開している「令和2年 申告所得税標本調査結果」によると、事業所得者として申告納税をしている人の平均所得金額(収入から経費を除いた額)は約420万円です。毎年平均所得金額を稼ぐ個人事業主が、22~60歳までの38年間働いた場合の生涯年収は「420万円×38年間=1億5960万円」と計算できます。
 
ただし、個人事業主には定年制度がないため、60代以降も現役で仕事を続ける場合には、生涯年収はもっと高くなります。
  

個人事業主には退職金がないことに注意

個人事業主が注意しなければならないのは、会社員と違って退職金がない点です。退職金を含めて考えると、同等の年収を稼ぐ会社員と比べると生涯年収が大幅に低くなる可能性があります。
 
そのため、個人事業主が老後のことを考える場合、退職金がない分を埋め合わせられるだけの資金対策が必要といえるでしょう。
     

会社員の生涯年収の平均額

独立行政法人労働政策研究・研修機構が公開している「ユースフル労働統計 2021 労働統計加工指標集」によると、学校卒業後に就職し、60歳までフルタイムの正社員として働いた場合の学歴別の平均生涯年収は、図表1のとおりです。
 
【図表1】

中学卒 高校卒 高専・短大卒 高専・短大卒
男性 1億9870万円 2億1280万円 2億1530万円 2億6910万円
女性 1億4660万円 1億5230万円 1億7680万円 2億1730万円

※退職金を含めない、2019年調査
 
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)「ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集― 生涯賃金など生涯に関する指標」より筆者作成
 
生涯年収は最終学歴が高いほうが高い傾向があり、中学卒と大学・大学院卒では男女いずれも7000万円以上の開きがあります。また上記JILPTの資料では、会社員の生涯年収は企業規模が大きいほど生涯年収が高い傾向もみられます。
 

退職金の平均額も考慮に入れる必要がある

生涯賃金に退職金を含めた場合はどうでしょうか。厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」の結果によると、定年退職を事由とした退職金の学歴別平均給付額は、図表2のとおりです。
 
【図表2】

高校卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(現業職)
大学・大学院卒
(管理・事務・技術職)
1618万円 1159万円 1983万円

厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態」より筆者作成
 
退職金はそのまま老後資金に回る可能性が高いため、退職金がどの程度見込めるかは、会社員が生涯年収をもとに老後の資金計画を立てるときの重要な要素となります。
    

老後に備えて現役時代にできること

個人事業主の場合は、退職金制度がないこと、厚生年金がないことが、老後の資金計画の大きなネックになる可能性があります。そのため、小規模企業共済や国民年金基金制度などを利用して、退職金や厚生年金の代替えとなる資金を用意すると安心です。
 

■小規模企業共済

小規模企業の経営者や役員、個人事業主などが加入できる、積み立て式の退職金制度です。掛金は1000円から設定でき、全額を所得から控除できます。
 

■国民年金基金

老齢基礎年金に年金を上乗せして受け取れる、公的年金制度です。上限額6万8000円までの範囲で掛金を設定でき、全額を所得から控除できます。
 
また、個人事業主、会社員ともに老後に向けた資産形成に役立つのが、つみたてNISAやiDeCoなどを利用した資産運用です。
 

■つみたてNISA

少額から長期・積立・分散投資ができ、年間40万円までの購入額の範囲で運用益が非課税となる制度で、非課税期間は最長20年間です。
 

■iDeCo

掛金を積み立てて自身で選択した方法で運用し、60歳以降に運用成績に応じた年金を受け取る仕組みの私的年金制度です。掛金が全額所得控除される、運用益が非課税になるなどの税制優遇があります。
 
現在の家計を圧迫しない範囲で、自身のニーズに合った制度を活用するとよいでしょう。
 

個人事業主と会社員では生涯年収の平均額に開きがある

業種などにもよりますが、平均年収などをベースに計算した場合、個人事業主の生涯年収は会社員よりも低くなる可能性が高いと考えられます。個人事業主には退職金や厚生年金の制度もないために、老後に備えて、現役時代より多くの貯蓄が必要となるでしょう。
 
また、会社員の生涯年収も、学歴や会社規模、退職金の額などによって大きく異なります。自身の年収や経歴ではどのくらいの生涯年収になるのかを見積もって、老後資金への備えを検討することが大切です。

 

出典

国税庁 令和2年 申告所得税 標本調査結果 概要
独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT) ユースフル労働統計2021 ―労働統計加工指標集― 生涯賃金など生涯に関する指標
厚生労働省 平成30年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください