【年間280億円超!】詐欺の被害額は「12月」が最多!? あの手この手でお金をだまし取る「特殊詐欺」に注意
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月6日 7時0分
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年末はなにかと慌ただしい時期。いつもなら「あれ?」と思うようなことをつい見過ごしてしまったり、忙しさが一段落したときに気が抜けてしまったり。 そんなときに気をつけたいのが、忍び寄る特殊詐欺の手口です。今一度気を引き締めるためにも、特殊詐欺の手口や被害状況、対策などをチェックしておきましょう。
年配の方だけじゃない! 若い世代も被害を受けている詐欺
法務省の犯罪白書(令和3年度版)によると、詐欺全体における被害者の認知件数の年齢分布は以下のようになっています。
●20歳未満 2.7%
●20~29歳 11.0%
●30~39歳 10.0%
●40~49歳 12.2%
●50~64歳 17.2%
●65~69歳 6.3%
●70歳以上 40.6%
ほぼ半数は65歳以上ですが、若い世代でも詐欺に引っかかってしまうことが少なくないということがわかります。若い世代の人は、年末年始に帰省した際、親に注意をうながすことはもちろん、自分たちも油断してはならないと気持ちを引き締めましょう。
昨年1年間の合計被害額は280億円超! 中でも要注意なのが12月
詐欺とひとくちに言っても手口はさまざま。現代において特に問題視されているのは、ニュースなどでもたびたび耳にする特殊詐欺です。特殊詐欺とは、オレオレ詐欺を筆頭に、いわゆる「対面せずに電話やハガキ、メールなどで信頼させ、犯人側の口座にお金を振り込ませたりだまし取ったりする」というものです。
警視庁によると、昨年1年間に認知された特殊詐欺の件数は、全国で1万4498件にものぼるのだとか。その被害総額は、なんと281億9946万3000円!
被害額にバラつきはありますが、ざっくり計算すると1件あたり200万円ほどの被害が出ているということになります。これは本当に見逃せない額ですよね。
昨年の月ごとの被害総額は以下のとおりです。
●1月 17億9917万690円
●2月 18億8426万9241円
●3月 23億9826万290円
●4月 24億7806万7680円
●5月 22億421万7008円
●6月 22億5284万3900円
●7月 23億6896万298円
●8月 25億7787万9050円
●9月 25億5549万4310円
●10月 19億6132万8630円
●11月 21億3172万1430円
●12月 35億8725万20円
こう見ると、12月がもっとも被害総額が膨れ上がっていることがわかります。認知件数についても、12月が最多でした。
年末はバタバタしていて判断力が鈍るのかもしれません。また、「年末に大きなミスをしてしまって帰省できないかも」と季節柄信ぴょう性をもたせるようなオレオレ詐欺が増えたり、「銀行が年末年始の休みに入る前に振り込めば1年分の延滞料をチャラにする」など駆け込ませたくなるような口上が増えたりすることも考えられます。
1月がもっとも低いのは、帰省などが絡み、幸いにもオレオレ詐欺が成立しないケースがあるということでしょうか。いずれにせよ、とにかく今の時期は注意が必要といえそうです。
年末年始も気を抜かないで! 特殊詐欺の手口と対策をチェック
改めて、代表的な特殊詐欺の手口と対策をおさらいしておきましょう。
【オレオレ詐欺】
子どもや孫になりすました犯人から親・祖父母に電話があり、仕事のトラブルなどを口実にお金を要求するという手口。風邪をひいていて声が変わった、ケータイも盗まれて番号が変わったという設定が主流です。弁護士や警察をかたる電話も矢継ぎ早にかかってきて、冷静に考える時間を奪うという手口も横行しているようです。
対策としては、もし電話でお金の話が出たら、一度電話を切って家族に相談するのがいいでしょう。自分から子ども・孫に電話をかけて確認するのが早そうです。事前に家族だけの合言葉を決めたり、常に家電は留守録設定にしておいたりするのも有効とのこと。
【還付金詐欺】
自治体や税務署の職員になりすました犯人から電話があり、医療費などの過払い金や、未払いの保険料があるなど、「お金を受け取れますよ」といった誘い文句でATMを操作させるという手口。
受け取れるどころか、自分の口座から犯人の口座にお金を振り込むハメになってしまいます。「詐欺=お金を要求してくる」という認識だけでいると、「医療費が戻ってくる? じゃあ今すぐやろう」と引っかかってしまいがちです。
対策としては、常日頃から「ATMを操作することで入金されることは絶対にない」と肝に銘じておくこと。これは特殊詐欺全般にいえることですが、とにかく電話でお金の話が出たときは、いったん切って家族や友人などに相談するのがポイントです。お金・ATMの話が電話で出たら、公的機関の名前を出されても警戒するのがいいでしょう。
【架空料金請求詐欺】
みなさんのスマホにも、「有料コンテンツの利用料金が未納です」といったSMSやメールが届くことはありませんか?
未払いの料金があるといった架空の事実でお金を送らせたり、電子マネーカードの番号を聞き出したりする手口が架空料金請求詐欺です。法務省や裁判所などをかたって督促のハガキを送りつけることもあるのだとか。
対策としては、ネットサービスの事業者や法務省、裁判所などが「未納料金などの支払い」の名目で、電子マネーカードの番号を聞き出すことは絶対にないと肝に銘じておくこと。
裁判になるなどと言われると焦ってしまいがちですが、とにかくいったん電話を切って誰かに相談しましょう。怪しいハガキが届いても、そこに書かれている連絡先には連絡しないこともポイントです。
特殊詐欺かも? と不安を感じたらまずは相談!
特殊詐欺などについて、「ひょっとして……」と不安を感じたら、「警察相談専用窓口」や「消費者ホットライン」の電話窓口に相談しましょう。また、消費者庁や金融庁、各都道府県警察では特殊詐欺への対策ページを公開しているため、事前に確認しておくと安心です。
心穏やかに年を越すためにも、気を引き締めて年末を乗り切りましょう。
出典
法務省 令和3年版犯罪白書第8編/第3章/第3節/1
警視庁 特殊詐欺発生状況
警視庁 特殊詐欺認知・検挙状況等について
警視庁 特殊詐欺の手口と対策
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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