会社員だけど「年金の支払い」がつらい…支払わない方法はある?
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月9日 2時30分
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、全員国民年金(会社員などは厚生年金)に加入する必要があります。しかし、経済的な理由で毎月の厚生年金保険料を負担に感じている人もいるでしょう。 この記事では、給料から厚生年金保険料が天引きされている会社員で、給料が少ないため年金保険料が負担になっているケースを想定し、年金を払わなくて済む条件について解説します。
国民年金保険料の納入方法は第1号・第2号・第3号被保険者によって違う
日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の人は全員、国民年金保険の加入者です。年金保険料の納入方法は、加入者が第1号・第2号・第3号のうちどの被保険者かによって異なり、第2号被保険者にあたる会社員の年金保険料は給料から天引きされ、加入している厚生年金や共済組合を通じて国民年金に納入されます。
これは、第2号被保険者は国民年金保険の加入者であると同時に、厚生年金保険や共済保険の加入者になっているためです。
ちなみに、第3号被保険者の年金保険料は、第2号被保険者である配偶者が加入している厚生年金や共済組合が集めた保険料や掛け金の一部から支払われます。しかし、第2号被保険者の年金保険料に、配偶者である第3号被保険者の年金保険料がそのまま上積みされているわけではありません。自営業者や農業者などの第1号被保険者は、自分で年金保険料を納付します。
第2号被保険者の場合、経済的な理由で納付の免除や猶予を行う方法はない
第1号被保険者で所得の減少などによって保険料の納付が困難になった場合、条件を満たせば国民年金保険料の免除制度や納付猶予制度を使うことができます。しかし、第2号被保険者はこれらの制度の対象外です。
第1号被保険者の保険料が一律で月額1万6590円(令和4年度)と決まっているのに対し、第2号被保険者の年金保険料は、給料に基づいて計算され、国民年金保険料と厚生年金保険料を合わせて給料から天引きされることになっているため、個人で免除を申請することはできません。なお、厚生年金保険料は事業主と従業員が労使折半で負担しています。国民年金の2分の1は国庫が負担しています。
第2号被保険者の年金保険料が免除されるのは産前産後休業期間中と育児休業期間中
第2号被保険者が年金保険料の免除を受けられるのは、被保険者が産前産後休業期間中と育児休業期間中です。産前産後休業期間中と育児休業期間中の年金保険料は、休業開始月から終了予定日の翌日の月の属する月の前月まで免除されます。
産前産後休業期間中の免除は女性のみ、育児休業期間中の免除は女性とその配偶者が対象です。いずれも、事業主が年金事務所に産前産後休業取得者申出書や育児休業取得者申請書を提出して申請を行うため、被保険者自身が行う必要はありません。年金保険料免除の期間が重複するときは、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。
会社員は経済的な理由で年金保険料の免除を受けることはできない
国民年金の被保険者は第1号・第2号・第3号被保険者に分かれており、このうち会社員で給料から年金保険料が天引きされているケースは第2号被保険者に該当します。第2号被保険者の年金保険料が免除になるのは、出産や育児による長期休業期間中のみです。
経済的な理由によって年金保険料の免除を受けることはできず、生活がつらいことを理由に年金を払わないで済む方法はありません。そういった場合は副業や転職による収入アップを目指すか、収入が一定以下の場合は生活保護の受給などを検討してみましょう。
出典
日本年金機構 年金用語集
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)
日本年金機構 国民年金第3号被保険者の保険料について
厚生労働省 [年金制度の仕組みと考え方]第2 公的年金制度の体系(被保険者、保険料)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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