子どもへの金融教育、困ってる?「日銀の教材」をチェック!
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月13日 7時0分
人によっては、「子どもの前では、お金の話をしない」と決めている人もいるかもしれません。しかし、最近は義務教育でも金融教育が拡充されており、子どもにお金の話をすることはタブーでなくなりつつあります。 しかし、親世代は金融教育を受けておらず、子どもへ金融教育をするといっても、「どのように教育したらよいのか」「どうして金融教育が必要なのか」がわからず、困ることも少なくありません。 2022年4月には改正民法が施行され成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、親の同意なしでクレジットカードを作ったりローンを組んだりすることができるようになり、金融教育の必要性はますます高まっているところです。 そこで本記事では、金融教育の必要性と子どもの金融教育に役立つ日銀(日本銀行)の教材について紹介します。ぜひ参考にして、子どもへの金融教育のヒントとしてください。
金融教育の必要性について
学費や生活費などの「費用」についてではなく、将来、子どもが社会で自立して生きるために、経済やファイナンスについて学ぶ金融教育が必要です。子どもに金融教育が必要な理由を以下2つまとめます。
1.生計を管理する力を理解し、自ら考え、工夫し、行動できる力をつけるため
2.金融や経済の仕組みを学ぶことで、社会への感謝と社会貢献を学ぶため
生計を管理する力を理解し、自ら考え、工夫し、行動できる力をつける
1つめの理由は、金融教育を通じて、働くことの楽しさや意義、収入を得ることの尊さを理解し、お金の価値を学ぶためです。自分が使えるお金には限りがあるため、お金をやりくりする工夫や重要性を理解する必要があります。
そして、お金のやりくりをきっかけに、現実的に将来の姿を組み立て、生活のリスクやその対応策を考え、活用できる力も求められます。また、生計を立てるためには労働による収入が基本であり、働くことの意義を考えたり、なりたい自分や将来の夢について主体的に考えたりする力を養うことも大切です。
金融や経済の仕組みを学ぶことで、社会への感謝と社会貢献を学ぶ
金融や経済の仕組みを理解したり、職場体験などの体験学習をしたりすることで、子どもは自分がさまざまな人や社会に支えられて生きていることを学びます。学びを通じて、周囲の人や社会に対する感謝の気持ちを養うことが目的です。
また、お金を使うことや働くことを通じて、自主的に取り組む態度を身につけたり、社会で活躍するための行動を考えさせたりする狙いもあります。
金融教育のメリット
金融教育には、3つのメリットがあります。
1.金融教育により、実社会と触れ合う機会ができる
2.柔軟でたくましく生きる力のサポートとなる
3.将来の夢や明るい未来へのきっかけとなる
金融教育で用いられる体験学習などを通じて、実社会について学べます。また、金融教育の特徴は、答えのない問いに対して、自分の経験や知見を基に、自ら考える力が身につく点です。昨今、インターネットで調べれば簡単に答えが得られることが多いですが、金融教育を通じて、自分の頭で考え、答えを選び抜く柔軟でたくましい人間形成につながります。
さらに、金融には「現在と将来をつなぐ」働きがあるため、金融を学ぶことによって、将来の夢を見出すきっかけづくりになるでしょう。
子どもへの金融教育には日銀の教材が使える
日銀のサイトには、子どもへの金融教育に使える、良質な金融教育教材「にちぎん☆キッズ」があります。「にちぎん☆キッズ」とは、小学校高学年を対象とした、お金・金融・経済に関する事柄をフルカラーのマンガで紹介している冊子(PDF)です。取り扱いテーマは以下の3点です。
1.お金ってなに
2.お金のながれ
3.お金のかち(物価の安定)
子ども向けの資料ですが、大人が読んでも勉強になることが多く、親子で仲良く学べる教材です。
お金ってなに
「お金ってなに」では、お金の機能やお金の条件、お金の成り立ちなどについて、見開き4ページの資料で説明されています。お金の機能として、3つの機能が紹介されています。
1.モノを交換する機能
2.モノの価値を計る機能
3.モノの価値を貯めておく機能
3つの機能があるおかげで、お金は大切なものであり、便利に使えるものであると子どもも理解できるでしょう。
お金のながれ
お金を預けたり、送金したり、日銀から民間の銀行を考査したり、お金を貸したりすることを、「お金のながれ」で扱っています。
日常生活の中で、子どもは「お金を使う」ことは知っているでしょうが、お金を銀行に預けたり、送金したりする経験は少ないのではないでしょうか。銀行を通じて、自分のお金が流れていくことを学べば、金融や経済の理解につながるでしょう。
お金のかち(物価の安定)
「お金のかち(物価の安定)」では、モノの値段の決まり方、インフレ・デフレや好景気・不景気や金融政策についてまとめられています。インフレはニュースでも触れることが多く、子どもたちも聞いたことがあるのではないでしょうか。
モノの値段によってお金の価値は変わり、世の中全体の勢いがあれば景気は良くなり、悪くなれば景気が悪くなります。物価を安定させるため、日銀がさまざまな政策を行っています。
子どもにも金融教育は必須! 親子で楽しく学ぼう
金融教育を通して、金融や経済に関する知識が身につくだけでなく、社会について学んだり、自主的に考えて行動する力を養ったりすることができます。子どもにはお金の話をしない家庭でも、今や子どもへの金融教育は必須となりつつあります。
インターネット上には、子どもへの金融教育に使える資料がたくさん公開されています。今回ご紹介した「にちぎん☆キッズ」のほか、金融庁のサイトでも小学生向け・先生、保護者、教育関係者向けの資料が公開されています。インターネット上の資料も活用して、親子で楽しく金融を学びましょう。
出典
日本銀行 にちぎん☆キッズ
金融庁 小学生のみなさんへ
金融広報中央委員会 知るぽると 金融教育プログラム-社会の中で生きる力を育む授業とは-
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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