20歳になったら学生でも「国民年金」に加入するって本当? 保険料を払えない場合の方法を解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月13日 22時40分
国民年金はたとえ学生であっても、20歳になったら加入しなければなりません。もし保険料を支払わなければ、将来受け取れる年金が減額されるだけでなく、最終手段として差し押さえされる可能性もあります。 本記事では、国民年金の制度や未納について、保険料が支払えない場合の方法についてを解説します。
国民年金の制度について
国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満の方に加入義務があり、保険料を納めなければなりません。そのため、20歳になれば学生でも働いていなくても、保険料を納める義務があります。なお会社などに勤務している場合は、基本的に厚生年金保険や共済組合に加入するため直接保険料を納めることはありません。
国民年金の加入者を第1号被保険者、国民年金と厚生年金や共済組合の加入者を第2号被保険者といいます。厚生年金や共済組合の加入者に扶養されている配偶者は第3号被保険者となり、国民年金保険料を直接納める必要はありません。
国民年金の加入者は、老後のための「老齢基礎年金」や、病気やけがで障害状態になった際に「障害基礎年金」を受け取れます。また加入者が死亡した場合には、残された配偶者や子どもが「遺族基礎年金」を受け取ることが可能です。
国民年金が未納の場合どうなるか
もし国民年金を未納のままにしていると、「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」が受け取れなくなるなどのリスクがあります。
将来受け取れる年金額の減額
65歳以降に受け取れる老齢基礎年金は、国民年金の納付月数によって金額が決まります。20歳から60歳までの期間を月数で換算すると480ヶ月となり、令和4年度は年間77万7800円、月額6万4816円が受け取れます。
しかし保険料の未納期間がある場合、未納月数に応じて受け取れる年金額は減額されてしまいます。
年金受給資格期間が10年
年金の受給資格期間は10年以上です。もし10年未満の場合、受給資格に満たないため65歳になっても老齢基礎年金を受け取れません。なお受給資格期間は国民年金のほか、厚生年金や共済組合などの加入期間も含まれます。
延滞金の発生
国民年金の加入者は保険料の納付義務があるため、原則として翌月末日までに納付しなければなりません。もし保険料を支払えるにもかかわらず、納付期限までに納付しなければ督促状が発行され、その督促状を過ぎても支払われなければ延滞金が発生します。
もし延滞金が発生してもなお長期的に支払われない場合、差し押さえになる可能性もあるため注意が必要です。
国民年金保険料が払えない場合にすべき方法
もし国民年金の保険料が支払えない場合、救済措置として「免除制度」と「納付猶予制度」があります。
免除制度
免除制度は、「法定免除」「申請免除」「特例免除」の3つがあります。
法定免除は、「生活保護受給者」や「障害基礎年金・厚生年金(3級を除く)受給者」などの保険料が全額免除されます。
申請免除は、「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4種類のうち、要件に該当すれば保険料の全額または一部が免除される制度です。
特例免除は、DVや災害などの被害者、失業等において、保険料の納付が困難と認められた場合、全額または一部が免除されます。
納付猶予制度
納付猶予制度は、学生対象の「学生納付特例制度」とそれ以外の「納付猶予制度」の2種類があります。
学生納付特例制度は、20歳以上の学生で本人の所得条件を満たすことで保険料の納付が猶予されます。対して納付猶予制度は、50歳未満で本人や配偶者の前年所得が一定額以下の場合に保険料の納付が猶予される制度となります。
追納制度
国民年金の免除制度や納付猶予制度で承認を受けた期間は、後から追納することができます。もし免除制度や納付猶予制度を利用した場合、国民年金保険料を全額納付したときと比べて年金は減額されてしまいます。
しかし保険料を追納することで、年金額を増やすことが可能です。なお追納が可能な期間は、追納が承認された月の前10年以内の期間に限られます。
20歳の学生で保険料が払えなければ「学生納付特例制度」を利用しましょう
20歳以上の学生で所得がない場合は、「学生納付特例制度」を利用することで保険料の納付が猶予されます。特例を受ければ、10年以内に保険料を追納することも可能です。ただし、「学生納付特例制度」は申請しなければ利用できないため、必要があれば必ず申請しましょう。
出典
日本年金機構 公的年金制度の種類と加入する制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 国民年金保険料の延滞金
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士
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