【老後資金】iDeCoと併用するなら、個人年金保険はどう考える?
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月16日 7時10分
iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用者数は年々増えていますが、拠出できる掛け金には上限があります。 そこで、老後資金を確保するためにもっと積み立てを行いたいという方に向けて、iDeCoと併用するならどんな個人年金保険に加入すればいいのか考えていきたいと思います。
iDeCoは加入している年金などによって掛け金の上限が決まっている
iDeCoは加入している公的年金や会社の年金制度によって、拠出できる掛け金の上限が決まっています。
自営業者など国民年金第1号被保険者の場合、掛け金の上限は国民年金基金または国民年金の付加保険料と合計して月額6万8000円(年額81万6000円)となり、第3号被保険者である専業主婦(夫)の人は月額2万3000円(年額27万6000円)です。
厚生年金に加入する会社員など国民年金第2号被保険者の方は、企業年金制度の加入状況などによって掛け金の上限が決まります。
勤務先に企業年金がない会社員の人は月額2万3000円(年額27万6000円)が上限となりますが、企業型確定拠出年金のみに加入している人は月額2万円(年額24万円)、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金に加入している場合では月額1万2000円(年額14万4000円)です。
また、確定給付企業年金のみに加入している会社員や公務員の人は、月額1万2000円(年額14万4000円)を上限として掛け金を拠出できます。
iDeCoでは、自営業者の場合は月額の上限で6万8000円と、ある程度の積み立てが行えますが、企業年金がない会社員や専業主婦(夫)では月額2万3000円までしか積み立てをすることができません。
例えば、企業年金がない40歳の会社員が60歳までの20年間、上限額を積み立てたとすると、掛け金は合計で552万円になります。
仮に5%の利回りで運用できた場合、元本と運用益の総額で約945万円となりますが、以前に話題となった老後2000万円問題を考えると、老後資金はもっと準備しておきたいところです。
老後資金を準備するための個人年金保険
これまで老後資金の準備として主流となっていた個人年金保険は固定利率で、加入時に利率が決まり、年金を受け取るまで同じ利回りで運用されるものでした。
保険商品の多くは保険料の一部を保険会社が有価証券などで運用を行い、その大半は国債に投資されています。現在、日本はゼロ金利政策が取られているため、固定利率では老後資金を大きく増やすことができなくなっています。
個人年金保険は、死亡保障が払込保険料と同程度となっているものが多いため、終身保険などと比べて貯蓄機能の面では優れているものの、現在の低金利下では魅力のない商品となっています。
老後の資金形成のための保険商品としては、外貨建ての個人年金保険や変額個人年金保険という種類もあります。
外貨建て個人年金保険は、日本より政策金利が高い国で運用を行うもので、特に米国ドルで運用をしているものが多くなっています。ただし、保険料の支払いや保険金の受取時に日本円と外貨の交換が必要になるため、手数料がかかるほか、為替リスクも存在します。
一方、変額個人年金保険は、契約者が決められた投資先に投資を行い、年金額や死亡保険金、途中で解約した際の解約返戻金については運用の実績次第で変動するという商品です。
個人年金保険料控除を意識するよりも
iDeCoと併用する個人年金保険を選ぶとき、生命保険料控除を意識する人も多いと思います。
個人年金保険料を支払った場合の生命保険料控除は、年間の保険料によって控除額が変わり、年間8万円を超える保険料を払っている場合の控除額は最大の4万円となります。
毎月1万円の保険料を払っているケースでは年間の保険料が12万円となり、控除上限の4万円が所得から控除されます。4万円の控除によって所得税が少なくなりますが、例えば年収500万円で所得税率が10%の場合、年間では4000円のメリットがあることになります。
年間保険料が12万円の場合、生命保険料控除によるメリットは3.33%ですが、現在の制度では同じ条件で20年間契約を続けたとしても、このメリットは変わりません。
変額個人年金保険に加入し、20年間で3%の複利で運用できた場合は、支払った保険料よりも80%程度増やせる可能性があります。仮に5%で運用できた場合には、165%程度となります。
生命保険料控除による3%程度のメリットのために個人年金保険に加入するよりも、年金額を大きく増やせる可能性のある変額個人年金保険を活用する方が、効率よく老後に向けた資産形成ができるといえます。
まとめ
iDeCoは掛け金の全額が所得控除の対象となるほか、受取時も一時金の場合は退職所得控除、年金で受け取った場合は公的年金等に係る雑所得として所得控除の対象となり、税制上のメリットも多くなっています。
ただし掛け金の上限が決められているため、老後資金をもっと増やしたいという場合、民間の年金保険を活用するのもいいと思います。その際は一般的な個人年金保険だけではなく、変額個人年金保険も選択肢に加えてみましょう。
出典
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト
国税庁 No.1140 生命保険料控除
執筆者:吉野裕一
夢実現プランナー
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