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「繰下げ受給」は本当に年金を「多くもらえる」?年金の繰下げ制度について解説

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月16日 23時30分

「繰下げ受給」は本当に年金を「多くもらえる」?年金の繰下げ制度について解説

令和4年4月分からの年金額が前年度より原則0.4%引き下げられ、年金額が減少しました。ほとんどの人にとって老後の生活に必要不可欠といえる公的年金ですが、それだけでは心もとないと感じている人も多いのではないでしょうか? そこで考えたいのが年金の繰下げ制度の利用です。   本記事では、年金の繰下げ制度の概要とメリットや注意点について解説していきます。

年金繰下げ制度とは?

公的年金は基本的には65歳になる月から受給が可能になります。しかし、65歳からは受け取らず、それ以降から受け取ることで年金額を増額させることもできます。これが年金の繰下げ制度です。
 

どれくらい加算される?

老齢基礎年金と老齢厚生年金について、65歳になった月から繰り下げを申請した月の前月までの月数×0.7%が加算されます。例えば、71歳0ヶ月で繰り下げの申し出をすると、増額率は50.4%です。増額した年金は一生涯続くので、老後の生活資金を増やすことができます。
 

繰下げの条件は?

繰下げには特別な条件はありません。年金の繰下げをしたい場合は、繰下げ請求書を年金事務所もしくは年金相談センターへ提出する必要があります。
 

繰下げ受給の上限年齢が引上げられた

令和4年4月から年金制度の改正があり、繰下げ制度についても変更点がありました。それが、上限年齢の引き上げです。これまでの制度では、繰下げできる年齢の上限が70歳までとなっていました。しかし、今回の改正で75歳までに上限が引き上げられています。75歳まで繰下げをした場合の増額率は84.0%です。
 

年金繰下げ受給のメリットと注意点

年金の繰下げは年金額の増額が見込めるというメリットがあります。しかし、同時に注意点もあり、一度繰下げの申請をすると取消しや修正ができないので注意が必要です。メリットと注意点を理解し、よく検討してから申請するようにしてください。
 

繰下げのメリット

繰下げのメリットは年金額が増額されることです。増額した年金額を一生涯受け取ることができます。
 

繰下げの注意点

年金を受け取る時期が遅くなるので長生きすれば多く受け取ることができますが、いざ年金を受け取るようになってから短い期間に亡くなってしまうと、65歳で受給した場合よりトータルで受け取る年金額は少なくなってしまいます。
 

老齢厚生年金を繰下げた場合の注意点

また、65歳以降は働ける年齢まで働き、働けなくなったら年金を繰下げ申請しようと考えている人もいると思いますが、こちらも注意が必要です。本来であれば、老齢基礎年金と老齢厚生年金は繰下げ申請をする時期によって増額することになりますが、働いて賃金が生じている場合の老齢厚生年金については少し違います。
 
65歳以降に働きながら年金を受け取る老齢厚生年金を在職老齢年金と言いますが、老齢厚生年金を繰下げた場合、在職老齢年金の支給停止部分については増額の対象にならないのです。
 
具体的には、繰下げせずに老齢厚生年金を受け取った場合の年金額と働いて得た賃金の合計が月額47万円を超えてしまうと支給が停止になるのですが、この支給停止部分については増額の対象になりません。そのため、年金額の満額が増額されない場合もあることを理解しておきましょう。
 

繰下げ申請は慎重に行いましょう

本記事では、年金の繰下げ制度の概要とメリットや注意点について解説してきました。年金の繰下げは、受け取る年金額を多くすることができる制度ですが、一度申請すると停止や修正ができません。そのため、申請は慎重に行ってください。うまく利用すれば年金を多く受け取ることもできるので、この機会に制度を理解しておきましょう。
 

出典

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について

日本年金機構 66歳以後に老齢年金の受給を繰下げたいとき

日本年金機構 年金の繰下げ受給

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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