「ふるさと納税」の新しい形「旅先納税」とは、どんな制度？

住民税の減額と、様々な地域の特産品を返礼品としてもらえることで人気がある「ふるさと納税」。最近、この制度の新しい形として「旅先納税」を始める自治体が出てきました。   本記事では、旅先納税制度について解説します。

旅先納税って、どんな制度？

旅先納税とは旅行先の自治体に寄付し、特典をその場で電子クーポンで受け取れる制度です。電子クーポンは、旅行先にあるお土産店・飲食店・宿泊施設・公共施設などで利用できます。紙クーポンと比べて、発行までに時間がかからないのがメリットです。
 
ふるさと納税にあたるので、寄附金控除として申告すると、翌年の住民税に反映されます。
 

どのように利用すればよいの？

申し込みと電子クーポンの利用には、スマートフォンが必要で、パソコンからは申込みができません。旅先納税の公式サイトや、実施している自治体のサイトからスマートフォンで申し込み、クレジットカードで決済を行います。決済完了後に、寄付した自治体から電子クーポンが発行されます。
 
旅行先での電子クーポン加盟店などで、スマートフォンに電子スタンプを押してもらったりQRコードの読み込みをしたりして、電子クーポンを利用します（利用する金額は1円単位で設定できます）。
 
後日、寄付をした自治体から寄付金額などが記載された書類が届くので、期限内に「ワンストップ申請書」を提出するか、確定申告を行って控除を受けます。ふるさと納税と同じく、収入などによって旅先納税ができる上限があるので、利用前に事前確認を行うとよいでしょう。
 

導入している自治体に寄附するともらえる、電子クーポンの金額は？

令和4年12月現在で導入している自治体は、北海道から沖縄県まで23自治体です。主に寄付した金額の30％の電子クーポンが発行され、自治体によって180日から365日間有効です。
 
例として挙げると、北海道千歳市で実施している旅先納税「ちとせ空PON」（有効期間は365日間）で、寄付額に応じて発行される電子クーポンの金額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

寄付額	電子クーポン額
5000円	1500円分
1万円	3000円分
5万円	1万5000円分
10万円	3万円分
30万円	9万円分
50万円	15万円分
100万円	30万円分

北海道千歳市 ちとせ空PONを基に作成
 

まとめ

この制度の主なメリットは、

・電子クーポンをすぐに受け取れる
・ワンストップ納税を利用できる

です。旅行先で自治体に寄付し、電子クーポンを使って観光などをお得に楽しめる気軽さがあります。
 
旅行しようと思いついたときに、旅先納税を実施している自治体を旅行先の1つに選ぶのもよいでしょう。
 

出典

北海道千歳市 ちとせ空PON 公式サイト
秋田県男鹿市 おがe街ギフト
石川県加賀市 加賀旅先納税e街ギフト
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部