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産前産後は「年金保険料が免除」に!? 国民年金・厚生年金の要件を解説!

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月21日 22時30分

産前産後は「年金保険料が免除」に!? 国民年金・厚生年金の要件を解説!

産前産後期間は、年金保険料が免除されることをご存じでしょうか?   本記事では、国民年金と厚生年金、それぞれの産前産後期間の保険料免除制度について解説します。利用するに越したことのない制度ですので、出産された人や出産の予定がある人はぜひ確認してください。

国民年金保険の加入者

日本に住んでいる20歳から60歳未満の人は、すべて国民年金に加入します。このうち、自営業者・農業者とその家族、学生、無職などの人は「第1号被保険者」となります。第1号被保険者が出産した際、出産前後の一定期間、国民年金保険料の負担が免除されます。
 

産前産後期間の保険料免除制度

この制度は、次世代育成支援の観点から、2019年4月から開始された制度です。国民年金の保険料を月額100円程度引き上げることにより、国民年金の被保険者みんなで制度運用を支えています。この制度は、国民年金の第1号被保険者が対象となります。ただし、国民年金の任意加入期間は対象となりません。
 

免除される期間

保険料が免除される期間は、出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヶ月間です。例えば、出産予定日が4月15日の場合は、3月から6月までの4ヶ月分が免除の対象となります。
 
多胎妊娠(いわゆる「ふたご」「みつご」など、2人以上の胎児を同時に妊娠すること)の場合には、出産予定日または出産日が属する月の3ヶ月前から6ヶ月間の保険料が免除されます。
 
つまり、4月15日が出産予定日の場合、1月から6月までの6ヶ月分が対象となるわけです。この制度は、妊娠85日以上の出産が対象となり、死産や流産、早産された人も含まれます。
 

保険料と老齢基礎年金の年金額

国民年金の保険料は、1ヶ月当たり1万6590円(2022年度)です。4ヶ月だと6万6360円、6ヶ月だと9万9540円の納付が免除されることになります。
 
もし、保険料をまとめて前払い(前納)している場合でも、対象となる期間の保険料は全額返金されます。
 
この制度で免除された期間は、他の国民年金の免除期間とは異なり、全額保険料を納付したものとして老齢基礎年金の給付額に反映されます。つまり、将来受け取る老齢基礎年金の給付額が減額されることはないということです。
 
ちなみに、経済的に余裕のない人が申請する国民年金の保険料免除制度では、全額免除が認められた場合でも、老齢基礎年金の給付額は全額納めた場合と比べ2分の1になります。
 
また、産前産後期間は付加保険料の納付が認められており、保険料は免除されながら、付加保険料(月額400円)を払うことで将来の年金額を増やすことができます。付加年金額(年額)は200円×付加保険料納付月数で計算され、2年以上受け取ると支払った付加保険料以上の年金を受け取ることができる計算になります。
 

厚生年金保険の加入者

会社員や公務員など、厚生年金保険の適用事業所に勤務し、適用要件を満たす人は、厚生年金保険に加入します。厚生年金保険に加入している人も、産前産後期間の保険料負担が免除されます。
 

産前産後休業期間中の保険料免除制度

厚生年金加入者の産前産後休業期間中の保険料免除制度は、国民年金保険の産前産後期間の保険料免除制度よりも早い、2014年4月から導入されました。厚生年金保険の保険料は、被保険者と事業主で折半して支払いますが、産前産後休業期間の保険料は、被保険者、事業主の両方の負担が免除されます。
 
また、厚生年金保険の加入者は、子どもを養育するための育児休業等期間についても、年金保険料が、被保険者、事業主共に免除される制度があります。
 

免除される期間

厚生年金保険の被保険者の産前産後休業期間は、産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間となります。
 
保険料が免除される期間は、産前産後休業開始月から終了予定日の翌日の属する月の前月までです。もし、産前産後休業終了予定日が月の末日の場合は産前産後休業終了月までとなります。
 
例えば、出産日が4月2日(2022年)の場合、産前産後休業期間は2月20日から5月28日となり、保険料が免除される期間は、2月から4月までの3ヶ月分ということになります。
 
国民年金保険の産前産後期間の保険料免除制度と比べると、産後の免除期間が短く感じますが、産後休業に続いて「育児休業」を取得する人は、その期間も保険料の負担が免除されます。
 

保険料と老齢厚生年金の年金額

厚生年金の保険料は、収入によって変わります。
 
例えば、2022年度の厚生年金保険料額で見ると、標準報酬月額24万円(報酬月額23万円~25万円)の場合、自己負担額は月額2万1960円となります。産前産後休業期間の3ヶ月分の保険料が免除されたとすると、6万5880円の負担が免除となります。
 
さらに、産前産後期間中および育児休業等期間中の保険料免除期間については、将来受け取る被保険者の老齢厚生年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として計算されます。
 

まとめ

産前産後の年金保険料は、国民年金保険の加入者、厚生年金保険の加入者共に、所得などの制限なく、免除を受けることができます。さらに、産前産後期間の保険料免除期間中は保険料を納めたものとして扱われ、将来受け取る年金額が減ることもありません。
 
しかし、申請しないと免除を受けることができませんので、注意してください。国民年金の加入者で、免除や猶予を受けている人も、産前産後期間の免除申請は改めて申請が必要です。ぜひ利用すべき制度ですので、対象となる人は、申請を忘れないようにしましょう。
 

出典

厚生労働省 国民年金の産前産後期間の保険料免除制度
日本年金機構 国民年金
日本年金機構 厚生年金保険
 
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP

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