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介護保険料の負担は増え続けている? 介護保険制度の歴史と保険料の推移

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月24日 5時40分

介護保険料の負担は増え続けている? 介護保険制度の歴史と保険料の推移

「40歳になったら介護保険料が給料から天引きされる。40歳なんてまだ若いのに、なぜ介護保険料を払わないといけないのか」と疑問に思った経験のある方はおられると思います。   この記事では介護保険制度の歴史、概要、保険料の推移について解説します。

介護保険制度の歴史

介護保険制度は、介護を社会全体で支えることを目的として創設されました。平成12年(2000年)にスタートしましたが、その背景となったのが、年々深刻化する高齢化問題です。
 
令和4年版高齢化白書によると、日本の65歳以上人口は、昭和25年は総人口の5%未満でしたが、昭和45年に7%を超え、平成6年には14%を超えました。
 
このように高齢化が進むとともに、寝たきりや認知症などにより、介護や支援が必要な方の増加や介護期間の長期化など、介護のニーズが増加していきました。
 
また、核家族化や介護をする家族の高齢化など、介護を必要とする方の家族の状況も、時代が進むにつれて変化していきました。
 
このような背景から介護保険制度が生まれ、現在では、約689.7万人の方が要介護(要支援)認定を受け、介護が必要な方を支える制度となっています。
 
介護保険への加入は40歳以上からですが、40歳から64歳の方については、
 

●老化に起因する疾病により介護が必要となる可能性が高くなること
●親が高齢となり介護が必要となる状態になる可能性が高まる時期であること

 
といった理由から、老後の不安の原因である介護を社会全体で支えるため、保険料を負担することが義務づけられています。
 

介護保険制度の被保険者

介護保険の被保険者は、第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40歳~64歳)の2種類があり、介護保険を利用するには、第1号被保険者と第2号被保険者ではそれぞれ条件が異なります。
 
また、介護保険でサービスを受けるためには、自治体に申請して要介護、または要支援認定を受ける必要があります。
 

第1号被保険者

65歳以上の方で、介護が必要であると認定されれば、介護保険を利用できます。
 

第2号被保険者

40歳~64歳の方のうち、老化を原因とする特定疾病により、介護が必要と判断されれば介護保険を利用できます。特定疾病には以下の16種類があります。
 

●末期がん
●糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
●関節リウマチ
●筋萎縮性側索硬化症
●後縦靱帯骨化症
●骨折を伴う骨粗しょう症
●進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病
●早老症
●若年性認知症
●脊髄小脳変性症
●脊柱管狭窄症
●多系統萎縮症
●脳血管疾患
●閉塞性動脈硬化症
●慢性閉塞性肺疾患
●両側の膝関節や股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

介護保険料の推移

介護保険制度ができてから、介護保険料は右肩上がりを続けています。図表1では、第1号被保険者が支払う介護保険料の平均の推移を表しています。
 
【図表1】
 

 
出典:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
 
介護保険制度が始まったころより、第8期では3103円も保険料が上がっているのが分かります。
 
【図表2】
 

 
出典:厚生労働省「介護保険制度をめぐる最近の動向について」
 
図表2では、第2号被保険者についても、制度開始時より4754円(令和4年6829円で計算)も介護保険料が上がっているのが分かります。
 
こうした介護保険料の増加は、少子高齢化が原因と考えられています。
 
令和4年版高齢化白書によると、高齢化率は上昇を続け、令和47年(2065年)には38.4%に達して、国民の約2.6人に1人が65歳以上の者となる社会が到来すると推計されており、今後も介護保険料の増加が予測されます。
 

まとめ

第2号被保険者の間は、比較的健康な方が多いため、介護について必要性を感じることは少ないかもしれません。しかし高齢になると、病気や加齢などで要介護状態になる可能性が高まります。
 
社会全体の老後の不安を減らすためにも、介護保険料を支払う意義について理解しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 介護保険制度について(40歳になられた方へ)

厚生労働省 介護保険制度をめぐる最近の動向について

内閣府 令和4年版高齢社会白書 第1章 高齢化の状況

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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