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賃貸不動産の投資の基礎 その4

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月24日 13時0分

賃貸不動産の投資の基礎 その4

前回「その3」では不動産投資の損益計算書の説明をしたので、今回は不動産投資のキャッシュフロー(CF)について解説します。   CFは収支の流れを把握するために重要ですが、不動産投資におけるCFの特徴を確認していきます。

不動産投資のキャッシュフロー

不動産投資を行う上で最も重要なのは、キャッシュフロー(CF)です。CFが赤字になると、自分自身の貯蓄などから現金を補てんする必要が出てきますし、別の不動産への再投資もできなくなります。
 
不動産投資でのCFの仕組みについて解説していきますが、まずは図表1の表をご覧ください。
 
【図表1】


※筆者作成
 
「その3」で説明した損益計算書との違いは、減価償却費がなくなっていること、住宅ローンの返済額が元利合計となっていることです。
 
「その3」で説明したとおり、減価償却費は現金の外部流出を伴わないコストなのでCF上もマイナスにはなりません。
 
また、損益計算書では住宅ローン返済額について金利だけが経費に計上されていましたが、CFでは返済額全体、すなわち元利と合計したすべてが支出として計上されています。
 
それ以外の支出は「その2」で説明したNOI 利回りでも計上された経費で、その結果、収支は4万6912円の黒字になっています。
 
前述したようにCFが赤字になると、自分の貯蓄などから赤字を補てんや、再投資ができなくなるため、不動産投資ではCFは黒字にする必要があります。
 
「その3」で説明した損益計算書の場合、不動産所得の損益は減価償却費のために4万8726円の赤字になっていますが、CFは黒字で、損益は赤字なので税金の還付も受けられるという、ある意味で理想的な形となっています。
 
もちろん、損益が黒字であれば税金を払えばよく、キャッシュフローの収支もさらにプラスとなるので、もっと理想的な形といえると思います。
 

まとめ ― 不動産投資の収益性は、時間の要素を加えて総合的に見る必要がある

これまでNOI利回りと不動産所得の損益、不動産収支のCFについて説明してきました。
 
しかし、これらはすべて単年度のもので、1年目と5年目、10年目が同じ内容となるわけではありません。
 
不動産投資の収益性について、具体的には次の要素が時間とともに変わります。

1. 不動産家賃収入
経済情勢が一定であれば、家賃収入は時間の経過とともに少しずつ下がります。
 
2. 経費
経費には建物管理費、賃貸管理費がありますが、これらは状況に応じて変動します。また、修繕積立金は建物が古くなるにつれて高くなります。
 
3. 投資ローンの金利
通常、元利合計が一定の返済ローンを選ぶので、投資ローンの金利は年が経つにつれて減っていきます。
 
4. 減価償却費
減価償却費は定額法である限り、年が経っても変わりません。定率法を選択した場合は、年が経つにつれて減少します。

このように不動産投資の利回り、損益、CFは年とともに変化するので、単年度で見るのではなく、投資期間全体にわたって総合的に見る必要があります。
 
時間の要素を考慮した不動産投資の収益性を総合的に見るためには、内部収益率を計算することになりますが、この点については別の機会に説明したいと思います。
 
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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