不動産収入が「月30万円」あるため、年金は70歳から受け取ろうと思います。どんな注意点がありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月26日 23時20分
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もしも不動産収入などを月に30万円以上得ていて、年金を受け取らなくても生活ができる場合、年金の受給開始時期を遅らせることは1つの選択肢になり得ます。70歳まで受給開始時期を繰り下げた場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。 本記事では、繰下げ受給のメリットと、想定しておかなければならない注意点について解説していきます。
繰下げ受給のメリットは受給月額の増加
原則受け取りが65歳からの年金受給開始時期を70歳まで繰り下げると、年金受給額を増額することができます。65歳に達した月を基準に1ヶ月につき0.7%が増額されるため、70歳まで繰り下げた場合の受給額は42%(0.7%×12ヶ月×5年)上乗せされます。
今回のケースのように、年金をもらわなくても生活できるだけの収入が確保されている場合、年金受給開始時期の繰り下げは選択肢の1つになるでしょう。令和4年4月分からの国民年金(老齢年金・満額)額(月額6万4816円)を基準とすると、70歳まで繰り下げた場合の受給額は、月額9万2039円になります。
受け取れる年金総額は何歳まで生きるかによって違う
70歳まで年金受給開始時期を繰り下げた場合、通常の受給月額に比べて42%増額されるため、受け取れる年金月額は大きく増えます。しかし、生涯に受け取る年金総額という観点で考えると、70歳まで繰下げ受給をすることが、必ずしも得になるとは限りません。
例えば、70歳から繰下げ受給をしても75歳で亡くなってしまった場合、受け取る年金総額は552万2340円(月額9万2039円×12ヶ月×5年)です。同じ人が65歳から年金を受給していた場合の年金総額は777万7920円(月額6万4816円×12ヶ月×10年)となり、200万円以上も多く受け取ることができます。
このように、生涯に受け取る年金総額は何歳まで生きるかによって変わるため、繰下げ受給は慎重に判断する必要があるでしょう。
65歳から受給を開始した人の年金総額に、70歳まで繰下げ受給をした人の年金総額が追いつくのは、81歳10ヶ月のときです。81歳10ヶ月よりも長生きすればするほど、70歳まで繰下げ受給をした方が年金総額は多くなります。
働きながら年金を受け取る際は支給停止の可能性に注意
収入を得ながら年金を受け取る際、年金の一部または全額が支給停止になるケースがあります。対象となるのは、厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金(在職老齢年金)を受ける60歳以上の人です。受給している年金の年額を12で割った「基本月額」と、毎月の賃金と年間の賞与を12で割った額を足した「総報酬月額相当額」の合計が47万円を超えるときは支給停止の対象となります。
会社で働き、給与所得として月額30万円を得ている場合は、在職老齢年金の支給停止対象になっていないかを確認する必要があるでしょう。一方で、会社に勤めておらず、厚生年金に加入していないケースでは対象となりません。
70歳までの繰り下げ受給は無理のない範囲で
70歳まで繰下げ受給をすると、1ヶ月に受け取ることができる年金受給月額は、通常に比べて42%増えます。一方で、70歳まで繰り下げて受給をする場合、81歳10ヶ月を超えて生存しないと年金総額では65歳に受給を開始した人に及びません。
70歳まで繰下げ受給をする際には、月額30万円の不動産収入で十分に生活できるかどうか、想定よりも早く寿命を迎えてしまう可能性も考慮に入れ、無理のない範囲で行うとよいでしょう。
出典
日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
日本年金機構 さ行 在職老齢年金
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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