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会社員とフリーランスで所得税はどう変わる? それぞれの立場でメリット・デメリットを把握しよう

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月26日 9時0分

会社員とフリーランスで所得税はどう変わる? それぞれの立場でメリット・デメリットを把握しよう

会社員とフリーランスは、働き方や加入する社会保険だけではなく、所得税のかかり方も変わってきます。   本記事では、会社員とフリーランスの所得税の違いについて解説した上で、それぞれの所得税におけるメリット・デメリットについて紹介します。

会社員とフリーランスでは所得の種類が違う

所得税は個人の所得(収入から必要経費を差し引いたもの)にかかる税金です。所得金額に応じて税率が高くなる累進課税制度で、5%~45%(7段階)の税率が設けられています。
 
一口に所得といっても、その性格によって以下の10種類に分けられます。

●利子所得
●配当所得
●不動産所得
●事業所得
●給与所得
●退職所得
●山林所得
●譲渡所得
●一時所得
●雑所得

このうち会社員の所得は「給与所得」、フリーランスの所得は「事業所得」に分類されるのが一般的です。この2つの所得は、それぞれ以下のように計算方法が異なります。
 
●給与所得の計算方法(会社員)
給与収入 - 給与所得控除
 
●事業所得の計算方法(フリーランス)
事業収入 - 必要経費
 
給与所得は、給与収入(源泉徴収前の給与・賞与の総額)から「給与所得控除」を差し引いて計算します。給与所得控除は会社員の経費のようなものです。経費といっても実際の支出ではなく、給与収入の金額に応じて、図表1のとおり金額が定められています。
 
【図表1】

出典:国税庁 No.1410 給与所得控除
 
これに対して事業所得は、事業収入(おもに売上金額)から、実際にかかった必要経費を引いて計算します。
 
必要経費は、給与所得控除のように収入に対する割合や金額が決まっておらず、基本的に上限もないため、事業の状況によっては赤字になることもあります。
 
会社員は給与所得控除を、フリーランスは必要経費をそれぞれの収入から差し引くことで、間接的に所得税の負担を抑える効果があります。
 
しかし「給与所得控除=所得税上の理論値」、「事業所得の必要経費=実際にかかった費用」という違いがあることを覚えておきましょう。
 

所得税におけるメリット・デメリット:会社員

会社員の所得税におけるメリットは、何といっても税額計算や確定申告の手間がないことです。勤務先に年末調整の書類を提出すれば、会社が代わりに所得税の金額を計算して申告・納付までしてくれます。
 
会社が納付してくれる所得税は、毎月の給与や賞与から天引きされています。自動的に分割で所得税を納めているようなものなので、納税資金を自分で確保しなくてよい点もメリットといえるでしょう。
 
一方で、給与にかかる所得税を節税しようと思っても、給与収入に対する給与所得控除額はコントロールできないため、フリーランスより節税の自由度は下がります。
 
例えば給与収入が600万円の場合、給与所得控除額は164万円なので、給与所得は436万円と決まっています。
 

所得税におけるメリット・デメリット:フリーランス

フリーランスの所得税におけるメリットは、実際にかかった経費を事業収入から差し引けることです。
 
会社員の給与所得と異なり、計上できる必要経費の金額に決まりはないため、同じ収入金額でも、会社員より所得を抑えられる可能性があります。
 
例えば、仕事で使うパソコンやデスクなどのオフィス用品を購入した場合、10万円未満のものであれば、原則全額をその年の経費として計上できます(10万円以上のものは減価償却資産として複数年にわたって償却)。
 
また、デザイナーやライターなど自宅で仕事をしているフリーランスの人は、仕事で使用した分の家賃や通信費・光熱費などを、経費として計上することも可能です。
 
さらに青色申告で確定申告すれば最高65万円を事業所得(または不動産所得)から差し引けるため、より高い節税効果が期待できます。
 
その反面、自分で経理処理をし、確定申告しなければならない点はデメリットといえるでしょう。会計ソフトを使えば比較的カンタンに経理処理や確定申告できますが、日々の売り上げや経費の管理が不要になるわけではありません。
 
また、フリーランスは納税も自ら行う必要があるため、納税資金の確保も必要です。
 

まとめ

このように、会社員とフリーランスの所得税は計算方法が異なるだけでなく、それぞれメリットとデメリットがあります。
 
フリーランスとして独立することを考えている会社員の人は、節税の観点だけではなく、経理や確定申告などの作業負担もふまえて比較検討することをおすすめします。
 
今回は会社員とフリーランスの所得税の違いについて解説しましたが、個人の所得に対してかかる税金は所得税だけでなく、住民税(所得割)もあります。
 
さらに、フリーランス(個人事業主)になると、個人事業税も納めなければなりません。会社員とフリーランスでかかる税金がどの程度変わるか、総合的に知りたい人は、税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2260 所得税の税率
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1300 所得の区分のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1410 給与所得控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2100 減価償却のあらまし
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.2070 青色申告制度
東京都主税局 個人事業税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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