1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

老親に仕送りしている人はどのくらいいる? 利用できる制度や節税方法は?

ファイナンシャルフィールド / 2022年12月28日 2時10分

老親に仕送りしている人はどのくらいいる? 利用できる制度や節税方法は?

年金収入だけでは年老いた親の生活が厳しく、仕送りを検討している人のなかには、ほかの家庭の仕送り事情がどうなのか気になる人も多いのではないでしょうか。   そこで本記事では国の統計をもとに、親に仕送りをしている世帯の割合や金額などのデータを紹介します。また、親を扶養に入れて仕送りの負担を減らす方法や条件も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

親に仕送りをしている世帯の割合・平均金額・目的

 
厚生労働省が行った「令和元年 国民生活基礎調査」によると、親に仕送りをしている世帯は5万1785世帯中1234世帯で、割合は約2.4%です。一世帯あたりの平均仕送り額は5万4000円、最も多い金額は2~4万円という結果が出ています。
 
世帯主の年齢では50~59歳が最も多く、39歳までの若年層では比較的少なくなっています。本データでは親の年代が不明ですが、親の年齢が高いと考えられる中高年世代では、下の世代より仕送りをする世帯の割合が高いということがいえそうです。
 
世帯主の年齢、仕送り額別の世帯数は、図表1のとおりです。
 
【図表1】仕送りをしている世帯数(年齢・仕送り金額)

2万円未満 ~4万円 ~6万円 ~8万円 ~10万円 10万円以上 不詳
29歳以下 15 59 29 5 2 7 21
~39歳 19 53 31 5 3 17 12
~49歳 28 103 57 14 11 29 26
~59歳 39 108 76 16 14 70 30
~69歳 25 66 50 19 17 62 25
70歳以上 6 10 11 4 4 27 12

厚生労働省「令和元年国民生活基礎調査 世帯 全国編 表分類06 仕送りの状況(第57表~第62表)」より筆者作成
 
また、仕送りの目的を見ると、入所・入院費のみが311世帯、その他のみが911世帯、入所・入院費、その他の両方が12世帯です。親に仕送りしている世帯の多くが、施設への入所や入院など特別な出費がなくても、日常的に仕送りをしていることが分かります。
 

老親への仕送りは扶養控除の対象になることがある

 
老親に仕送りをしている人は、親を自分の扶養に入れて、扶養控除を受けられる可能性があります。扶養控除が適用されれば所得税・住民税の節税になるため、仕送りで生じる家計への負担を少し抑えられるでしょう。
 
年末調整や確定申告で申請が漏れて損をすることがないよう、詳しい条件や控除額をあらかじめ確認しておきましょう。
 

扶養控除の対象となる条件と控除額

 
仕送りを受けている親が扶養親族に該当するのは、次の条件に当てはまる場合です。

●親と同一生計である
●親の合計所得金額が48万円以下

ここでの同一生計とは、同居していなくてもかまいません。別居の親でも常に生活費の仕送りをしている場合は、同一生計として扱われます。
 
また、親の収入が老齢年金のみの場合、合計所得金額48万円以下の判定は、次の金額がボーダーラインとなります。

●親が65歳未満:年金額108万円以下
●親が65歳以上:年金額が158万円以下

親への仕送りで受けられる扶養控除の金額は、図表2のとおりです。
 
【図表2】

親の年齢 区分 控除額
(所得税)
控除額
(住民税)
70歳未満 一般の控除対象扶養親族 38万円 33万円
70歳以上 老人扶養親族 48万円 38万円

国税庁「No.1180 扶養控除」、愛知県大府市「個人住民税の所得控除額(人的控除)について」より筆者作成
 

老親を扶養に入れるとどのくらいの節税効果がある?

 
扶養控除による具体的な節税額は、控除額×税率で求められます。所得税の税率は、課税所得金額に応じて5~45%です。したがって、所得税に関しては、親が70歳未満なら1万9000円~最大17万1000円、親が70歳以上だと2万4000円~21万6000円の節税効果が見込めます。
 
住民税(所得割額)の税率は、課税所得額にかかわらず一律10%と定められています。そのため、住民税の節税額は親が70歳未満なら3万3000円、親が70歳以上なら3万8000円です。
 

親に仕送りをしている世帯は多くない

 
令和元年の国民生活基礎調査によると、親に仕送りをしている世帯の割合は2%強で、それほど多くありません。しかし、中高年世帯では下の世帯よりも仕送りをしている割合が高いなど、年代によりばらつきがあります。
 
親に定期的に仕送りをしている場合、親を扶養に入れて扶養控除を受けられることがあります。条件などを確認して当てはまる場合はしっかり申請し、少しでも家計の負担を緩和しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和元年国民生活基礎調査 世帯 全国編 表分類06 仕送りの状況(第57表~第62表)
国税庁 No.1180 扶養控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1180 扶養控除
愛知県大府市 個人住民税の所得控除額(人的控除)について
国税庁 No.2260 所得税の税率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください