今さらだけど、GDPって何? GDPで経済の何が分かるの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月31日 2時0分
![今さらだけど、GDPって何? GDPで経済の何が分かるの?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_177896_0-small.jpg)
「○年○月期のGDP成長率は……」このような言葉をニュースなどで見かけて、GDPとは何だろうという疑問を抱いた人もいるでしょう。学校で習った気はするけれど、詳細はうろ覚えだという人も多いのではないでしょうか。 GDPは、経済の動向を読み解くうえで欠かせない重要な数値です。本記事では、用語の意味や意義、どのように活用されているのかなど、GDPの基本的な情報を簡潔にまとめました。GDPについて改めて知り、ぜひニュースなどの理解に役立ててください。
GDP(国内総生産)とは
GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)とは、国内で行われた経済活動全体で、一定期間内に新たなモノ、サービスの付加価値がどの程度産み出されたのかを示す数値です。
日本企業が産み出した付加価値であっても、国外で生産したものはGDPに含みません。日本では内閣府が四半期ごとに集計し、「GDP統計」として発表されます。
GDPの意義や見方のポイントは、それぞれ次のとおりです。
GDPの意義
GDPは、その国の経済拡張の度合いや景気上昇のピッチを測る端的な指標として用いられます。そこには、1年間などの一定期間に国内の経済活動によって産み出された、付加価値の額の増加イコール経済成長であるという前提があります。
また、国内で行われたあらゆる経済活動をもとに数値を算出するため、マクロレベルの経済活動を最も把握できるデータであるという面も、GDPの意義のひとつです。
GDPを見るときのポイント
GDPの数値を見るときは全体の伸びだけでなく、GDPに影響した要素にも目を向けることが大切です。同じ好景気の状態であっても、個人投資、企業の設備投資、公共投資、輸出など、どの要素の伸びが好調に寄与したのかを読み解くことが、現状や先の見通しを正確に把握するポイントです。
GDPには「名目GDP」「実質GDP」の2種類がある
GDPには「名目GDP」「実質GDP」の2種類の数値があります。言葉は聞いたことがあっても、意味は曖昧にしか理解していない人も多いのではないでしょうか。
GDPから経済の動向を正確に知るためには、両方の数値がそれぞれ何を表しているのかを理解することが大切です。ここでは、「名目GDP」「実質GDP」の意味を解説します。
名目GDP
名目GDPは、商品やサービスが実際に取引されている市場価格をもとに推計される数字です。そのときの物価がそのまま反映されるため、物価が2倍になれば名目GDPも2倍になります。
名目GDPは物価変動の影響を考慮していないため、国の経済状態の成長度合いを正確に表しているとはいえません。
実質GDP
実質GDPとは、物価の影響による影響を取り除いて、その年に生産されたモノやサービスの実質的な価値を算出した数字です。物価変動を考慮せず市場価格をそのまま算出に用いる名目GDPに対して、実質GDPは基準年の価格水準と比較して物価変動の影響を調整して算出します。そのため、国の経済状態の成長度合いを見るときには、実質GDPを用いるのが一般的です。
GDPの推移から「経済成長率」が算出される
実質GDPの伸び率から、国の経済成長率(GDP成長率)が算出可能です。GDPは生産面、分配面、支出面からそれぞれ計測できますが、経済成長率を予測するときには支出面から算出するのが最も速報性が高いといわれています。
支出面から経済成長率を算出するときは、支出項目を個人消費、住宅投資、民間設備投資、在庫投資、政府消費、政府投資、純輸出(輸出等-輸入等)に区分して、これらの各項目の伸びを予測します。具体的なGDP成長率の計算式は以下です。
当年のGDP成長率={(当年の実質GDP-前年の実質GDP)÷前年の実質GDP}×100
GDPは国の経済情勢を測る重要な指標
GDPは国内の経済活動でどれだけの付加価値が産み出されているのかを測る指標です。GDPの推移を見ることで国の経済成長率が分かるため、経済動向を知るうえでは無視できません。GDPという言葉の意味や内容を理解したうえで改めてニュースなどに目を向けると、経済への理解度を少しだけ高められるのではないでしょうか。
出典
金融広報中央委員会 知るぽると 経済データの基本的な読み方
日本銀行 GDP、実質GDP
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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