年金保険料は平成と令和で「2倍」に!? 若い世代は年金をもらえるの? 給付水準の「世代間格差」について解説
ファイナンシャルフィールド / 2022年12月30日 23時20分
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「若い世代はもらえる年金額が少なくなる」といわれていますが、本当にもらえる年金額が少なくなるのか気になっている人は多いでしょう。 本来であれば、年金制度は社会保障の一つであることから、経済的なメリット・デメリットで考えるのは適切ではありません。しかし、自分たちが納めた年金保険料よりも、その後、受給できる年金額が低くなる可能性があるのを納得できないのは当然です。 今回は若い世代の年金はどうなるかについて解説していきます。
年金保険料の負担は大きくなっている
年金は社会保障の一つであることから、経済的なメリット・デメリットの観点から考えるのは不適切といった考えもあります。
現在の年金制度は現役世代が納めた年金保険料を受給者が受け取る賦課方式がとられているため、少子高齢化が進行すれば現役世代の負担は大きくなっていくでしょう。厚生年金保険料は個人の所得などによって左右されるため一概に言えませんが、国民年金保険料は昔と比較すると高くなっています。
例えば、平成元年4月から平成2年3月までの国民年金保険料は月額8000円でしたが、令和4年4月から令和5年3月までの国民年金保険料は1万6590円です。国民年金保険料は段階的に上がっていき、平成元年度と令和4年度では、2倍以上保険料が高くなっているのがわかるでしょう。
給付水準の世代間格差が起こる理由
給付水準の世代間格差が起こる理由はさまざまですが、具体的には現在の若い世代と現在の受給者世代の若いころとでは、高齢者を支える環境が大きく違う部分が挙げられます。
昔は高齢者世代よりも若い世代の方が多かったといわれていますが、現在では少子高齢化によって高齢者世代が多くなっています。例えば昔の世代では1人の高齢者を2人で支えられていたのが、現在では2人の高齢者を1人で支えている格好です。
少子高齢化が進行している要因としては出生率が低くなっているだけでなく、平均寿命が延びていることも挙げられます。給付水準の世代間格差がどうしても避けられない部分もありますが、若い世代の間では自分たちがもらえる年金が少なくなるのは納得できないのは仕方ありません。
納付した年金保険料と受給できる年金額に差が生じる
納付した年金保険料と受給できる年金額に差が生じるのも若い世代が年金に不満を感じる原因といえ、先述したように年金保険料負担額は大きくなっています。年金保険料負担額が大きくなっているにもかかわらず、将来的に受給できる年金額が少ないとなれば納得するのが難しい部分もあるでしょう。
2005年に70歳を迎える人は保険料負担額が680万円・受給額が5600万円で比率は8.3倍なのに対して、2030年に70歳を迎える人は保険料負担額が2800万円・受給額が7600万円で比率は2.7倍になります。
比率を見てみると若い世代の方が低くなっているのがわかり、将来的にはさらに保険料負担額と受給額の比率がさらに低くなっている可能性も否定できません。
もらえる額自体は調整されて多くなるかもしれませんが、それに伴って年金保険料も高くなるケースも考えられます。
まとめ
現在の年金受給世代と現役世代では給付水準の世代間格差が起こっており、将来的にも少子高齢化の影響によって世代間格差が解消されるのは難しいかもしれません。また、年金受給額は多くなったとしても年金保険料も増えていけば、最終的な比率から考えると低くなると考えられています。
若い世代は年金に対して期待できないともいわれているため、将来的に安定した生活を送りたいなら私的年金などを活用することが大切です。
出典
厚生労働省 厚生年金、国民年金の財政
日本年金機構 国民年金保険料の変遷
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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