子どもの受験制度を知ることで教育費が大きく変わる?
ファイナンシャルフィールド / 2023年1月5日 4時0分
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物価高に円安と日本経済への不安は尽きませんが、給料が上がらない中、子育て世帯の教育費への不安は今後とも消えることはないでしょう。 今の大学受験の受験方式は多様化し続けています。親の時代の受験とは様変わりしていますから「私の時代はこうだった」という言葉は、子どもには受け止められません。親も受験制度を知って一緒に考える時代です。 知っているかどうかでかかる費用が変わってきます。今回はさまざまな受験方法と受験費用の関係を知っておきましょう。
外部の英語検定は活用しないと損?
受験をするときに、何か得意科目があるというのはとても有利な手段となりえます。
例えば、外部の英語検定としてよく利用される、(1)TOEFL、(2)TOEIC、(3)TEAP、(4)実用英語技能検定、(5)GTEC、(6)ケンブリッジ英語検定などは、「話す」「聞く」「書く」「読む」というそれぞれの4技能が評価されます。そのため、受験資格として利用できたり、点数が加算されたりします。
全国の各大学で利用されていますが、利用条件は級だったり点数だったりさまざまです。一度の受験で目標に届くとは限りませんので、「いつ」「何を」受けるのか、高校入学後にはすぐ計画を立てておいたほうがよいでしょう。
いつ取得した評価なのかも忘れがちですが、早くに目標が到達できても、実は期限が切れており、再度受験するようであれば、費用も余分にかさむこととなります。
推薦制度には「自己推薦」も含まれる?
親の時代の「推薦入試」といえば、学校があらかじめ指定校となっていて、学校の推薦が決まれば、ほぼ合格できるといってもよい制度でした。ただ、今は「公募制」という推薦制度も増えてきており、私立だけではなく、広く国公立大学の受験制度にも採り入れられています。
この公募制に関しては、「誰にでも」広く門戸を広げており、指定校に通っていなくても受験することが可能です。「自己推薦」の形で、大学入学後の明確なビジョンを書類や面接で「これを勉強したい」と猛烈アピールするような受験方法も選択できるのです。「部活で全国大会に出場した」「生徒会長として頑張った」などの目に見えやすい形のアピールばかりではないということです。
合格率が高くないことはデメリットかもしれませんが、費用に関して安く済みます。一般受験をする場合の費用、受験料や滑り止め大学への入学金を支払わずに済むのなら、20万~50万円程度の節約になるでしょう。少しでも「推薦受験」を検討する余地があるのであれば、受験生になって初めて推薦を考える、では遅すぎるということもあります。
推薦入試の対策は付け焼刃にならないよう心がけましょう。対策としては、塾以外に個別に通うのか、通っている学校で対策してもらえるか、もしくは通信教育など考えられますが、自分だけで対策できるほど甘くはないことは知っておいてください。
受験料の節約を考えないと教育ローンに頼ることも?
子どもの教育費を準備するための、専門家としてアドバイスできることは、進学後の費用だけでなく受験費用を忘れない、ということです。
子どもの教育費が不足すれば奨学金を借りればよいと思っている方もいるでしょうし、そうせざるを得ないケースもたくさんあるでしょう。ただ、奨学金を借りる予定ならば、子どもに任せきりにせず、親も一緒に奨学金制度を知っておくべきでしょう。
まず基本的なことといえば、受験料は奨学金ではまかなえません。「進学後」に給付されるからです。次に、奨学金には「貸与型」と「給付型」、いわゆる返済必要な奨学金と返済不要な奨学金があります。ただ、返済不要の給付型奨学金といっても、進学後に学業不振なら、停止されることもあり、4年間の安泰が予定されているわけではありません。
そこで、受験料のために教育ローンを借りるという手段もありますが、筆者としてはあまりおすすめしません。それよりも受験方法を工夫してみましょう。
大学受験は、一般的に共通テスト1万8000円(3教科の場合)から始まって、1校あたり約3万5000円支払って受験し、受験ごとにその費用がかかることはもちろん、同じ大学でも学部ごとに加算されるのです。
ただ、各大学で公開されている入試要項をしっかり読むと、大学独自の試験を受けず大学入学共通テストを利用した受験方法なら1万5000円、その他同じ大学で異なる学部を受験する際には併用割引があるケースがあります。各大学の受験方法として公開されています。
もし、1校当たり約3万5000円を10校受験すれば35万円と、受験費用は意外とかかりますから、これが節約できるかどうかは、受験制度をよく知っているかどうかの違いにかかっています。
教育費はなかなか「安く済んだ」「節約できた」とはいかない費用であり、子どもに「出せない」とはなかなか言い出せない費用でもあります。だからこそ、受験費用を安くするためのコツ、外部英語検定や推薦など、今の制度をしっかり知って親子で計画的に取り組むことが、教育費の賢い準備方法といえるでしょう。
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。
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