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iDeCoの運用商品の選択状況を確認してみよう!

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月5日 7時20分

iDeCoの運用商品の選択状況を確認してみよう!

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金を自己責任の元で運用する制度です。運用するということは、まずは商品を選択する必要があるのですが、iDeCoに加入された方がどのような商品を選んでいるのか確認してみましょう。

商品選択と商品について

2022年3月末時点のiDeCo全体の資産額は約3.7兆円です。iDeCo全体の資産額、つまり加入者一人ひとりの資産を合計した金額ということになります。
 
では、この3.7兆円という資産の内訳はどのようになっているのでしょうか? 全体を100%として商品の選択の状況を見ていきます。なお、1.2%が処理待機資金等となっており、どこの商品にも充てられていない状況になっています。
 

iDeCo全体の資産額の内訳とは

「元本確保型」といわれる預貯金や保険(生命保険や損害保険)は、合わせて約38%の資金が充てられています。残る61.1%が投資信託等に充てられています。
 
国内株式型に11.3%、外国株式型に24.5%、それぞれ資金が充てられています。国内株式型に比べ、海外株式型のほうが2倍以上の割合を占めています。海外株式型は、現地での株価変動に加え為替変動もありますので、国内株式型に比べてよりリスクが高いといえます。もちろん、国内株式型も為替の影響がないわけではありません。
 
あくまでも一般論ですが、国内株式型(=国内企業)の場合、輸出企業ですと円安傾向の時に業績が上向く、輸入企業なら円高傾向の時に業績が上向く傾向にあるようです。しかし、株価は円建てであり、円での取引ですので、取引にあたっては為替を気にする必要はないのです。
 
一方で海外株式型(=外国企業)の場合、そもそも株式の取引が現地通貨(=外貨建て)ですが、商品(=投資信託)の価格は円建てです。つまり、取引の都度、為替変動の影響を受けることになります。
 
一方で債券の内訳は、国内債券型に2.8%、海外債券型には3.2%の資金が充てられています。債券でも海外債券型のほうが割合が高いですが、国内債券型の資金の割合に比べるとその差はわずかです。
 
こちらもあくまでも一般論ですが、株式と債券を比べると、株式のほうがリスクが高いと考えられます。株式と社債(=債券の1つ)は、どちらも企業の資金調達の手段ですので、資金調達をする企業の側の視点で考えてみましょう。
 
貸借対照表では、株式によって得た資金は自己資本に分類され、返済の義務がなく、利息の支払い等も不要です。一方で、社債によって得た資金は他人資本に分類され、「満期に額面で償還」と「(利付債なら)満期までの間、利息の支払い」という株式にはない“2つの約束”があります。
 
“2つ”の約束は社債にはあっても、株式にはありません。これが債券よりも株式のほうがリスクが高いと言われるゆえんです。また、債券には国債や地方債など、社債よりも、さらにリスクの低いものもあります。
 
なお、株式の保有者(株主)に対し、配当金が支払われることがありますが、配当金は約束されたものではありません。
 
また、バランス型には15.9%の資金が充てられています。バランス型とは、1つの商品で国内外の株式や債券、不動産に投資するタイプの投資信託を指しています。
 

まとめに代えて

iDeCoは掛金を自己責任の元で運用する制度ですが、海外株式型など、リスクの高い資産に積極的に投資をしていることが分かります。しかしその一方で、元本確保型にも4割近くの資産が充てられています。すべてが元本確保型では、減ることはなくても増えることもありません。
 
iDeCoは所得控除のメリットを得ながら、長期にわたり積立投資を行っていく制度です。有効に生かしたい制度ですね。
 

出典

運営管理機関連絡協議会 確定拠出年金統計資料(2022年3月末)

 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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