1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

意外と知らない! 繰下げ受給の待機期間中に急なお金が必要なら一括請求が可能

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月9日 10時20分

意外と知らない! 繰下げ受給の待機期間中に急なお金が必要なら一括請求が可能

年金は基本的な65歳の受給から、最大で75歳まで繰下げることができます。繰下げることで毎月受け取る受給額を増やすことが可能です。   しかし、現在はあらゆる環境が激しく変化し、「VUCA(ブーカ)の時代」といわれています。VUCAとは、V:Volatility(変動性)、U:Uncertainty(不確実性)、C:Complexity(複雑性)、A:Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、先行きが不透明で将来の予測が困難な状態を意味します。   そんな時代に繰下げ受給を決めても、待機中にけがや病気、家計の変化などにより、急にお金が必要となるかもしれませんが、その場合は一括請求が可能です。本記事では、年金の繰下げ受給の一括請求について説明します。

繰下げ受給の待機期間中に過去の分について一括請求が可能

本来なら65歳からもらえていた年金を70歳以降に繰下げたことで、今必要なお金が手元にないとなってしまったら、繰下げた意味がなくなってしまいます。
 
年金は一度繰下げを決めたら、その年齢になるまで受給できないと考えている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。繰下げ受給の待機期間中に、過去の分について一括請求し、受給することが可能です。
 

一括請求で押さえておきたいポイント

ここからは一括請求で押さえておきたいポイントについて解説していきます。
 

もらえるのは5年分のみ

年金には「5年時効ルール」があります。これは、権利が発生してから5年の経過により、受け取る権利が消滅するというものですが、一括請求でも同様です。
 
例えば、73歳0ヶ月で一括請求をした場合、受給の対象となるのは68〜72歳までの分で、65歳、66歳、67歳の3年分は時効で消滅してしまいます。
 

新ルールでより一括請求が有利に

2022年12月末時点では、一括請求をしても、受け取れる分は65歳から受給開始したのと同じで増額なしという扱いです。しかし、2023年4月以降に年金の請求を行う人からは、増額分が上乗せされた年金額が受給可能となります。
 
具体的な例として、73歳0ヶ月で一括請求をした場合をみていきましょう。
 
この場合受け取れるのは68歳0ヶ月からの5年分ですが、従来は増額率がないものを受け取っていました。しかし、2023年4月以降では、5年前の68歳0ヶ月に申請があったとして、増加率25.2%が上乗せされた額を受給することが可能です。これを分かりやすく表すと、図表1、2のとおりです。
 
図表1 【2023年3月まで】

筆者作成
 
図表2 【2023年4月以降】

筆者作成
 

一括請求よりも通常の繰下げ受給のほうが増額率は高くなる

ここまでみてきたとおり、従来よりも一括受給することによる優位性が増しました。これにより、70歳以降に年金を繰下げることがしやすくなったといえます。
 
とはいえ、人生100年時代といわれる現代においては、可能なかぎり一括受給せずにいたほうが、受給の際の増額率が高くなり、生涯受給する年金額が多くなるかもしれません。具体的には、先ほどの68歳0ヶ月に申請があったとした事例では、73歳以降は25.2%の増額率の年金が生涯受給できます。ただ、一括受け取りせずに73歳から普通に受け取った場合、増額率は67.2%です。
 
貯蓄が十分ある場合は、一括請求せずに貯蓄で対応したほうがよいかもしれません。
 

貯蓄や今後の支出を考慮しつつ、いろいろな選択肢をみていこう

年金繰下げ受給の一括請求は、年金戦略の一つに過ぎません。以前より有利になったとはいえ、増額率で考えると普通に受け取ったほうが得をする可能性もあります。
 
貯蓄や今後の支出などご自身の状況を考慮して、選択肢のなかから最適なものを選びましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 年金の時効
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください