離島で起業したら最大1200万円の補助金がでる? 特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の要件とは?
ファイナンシャルフィールド / 2023年1月11日 0時20分
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内閣府では、特定有人国境離島地域の地域社会の維持を推進するために、特定有人国境離島地域を有する8都道県や関係市町村等が実施する運賃低廉化、物資の費用負担の軽減、雇用機会の拡充等に必要な経費の一部を補助しています。 さらに、特定有人国境離島地域の雇用機会を拡充するため、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金(雇用機会拡充事業)(※)を行うことが決定しました。今回は、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の概要や要件について解説します。
特定有人国境離島とは?
特定有人国境離島とは、日本の領海などにおける海洋活動の保全のために特に重要だとされる国境にあたる71の離島のことで、利尻島や礼文島、佐渡島、隠岐諸島、対馬、種子島、屋久島などが該当します。
特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の概要
特定有人国境離島における持続的な居住が可能となる環境の整備を図ることを目的として、雇用増を伴う創業または事業拡大を行う民間事業者等に対してその事業資金の一部を補助するものです。
<補助対象者>
対価を得て事業を営む個人もしくは法人で、次のいずれかに該当するもの
1.該当する特定有人国境離島にて創業するもの
2.該当する特定有人国境離島の事務所にて事業拡大を行うもの
ここでいう創業とは、個人が開業もしくは会社などを設立し、新たに事業を開始することと合わせ、すでに事業を営んでいる人から事業を引き継いで新たに事業を開始することも含まれます。
そして、事業拡大とは、既に事業を営んでいる人が、生産能力の拡大や商品もしくはサービスの付加価値の向上を図る目的で、雇用の拡大および設備投資などを行うことをいいます。
<事業の実施要件>
「雇用の創出効果が見込まれる創業もしくは事業拡大であること」となります。
具体的には、助成終了後においても、雇用が継続または拡大するという成長性が見込まれるものである必要があります。その他、事業終了後に売上高の増加や付加価値額の増加が図られる可能性が極めて高いものでなければなりません。
また、相互湯や事業拡大に必要な事業資金について、自己資金もしくは金融機関からの資金調達が十分に見込まれることも要件となっています。
<雇用要件>
計画期間中に1週間の所定労働時間が 20 時間以上の従業員を新たに雇用し、計画期間終了後もその雇用が継続されることが要件です。そのため、補助金による助成が終わったあとも、雇用がきちんと継続しているかを確認するために、賃金台帳や雇用保険加入の状況を確認するとともに、従業員の連絡先を把握し、現地調査が行われます。
<補助の対象となる経費>
補助対象となる経費については、以下のとおりです。
1.設備費(減価償却費含む):創業に必要な機会や装置、器具や備品などのほか、それらの設置費用や購入費、リース料、レンタル料など
2.改修費(減価償却費含む):事業に使用するための建物および建物付属設備の改修費
3.広告宣伝費:広告掲載費、ホームページ、パンフレット、DM製作・配布・郵送費
4.店舗等借入費
5.人件費:創業に伴い、新たに雇用する従業員(パートやアルバイト含む)の給与や賃金。ただし、次の額を上限とする。
●常勤雇用:月額35万円
●非常勤雇用:月額20万円
●パート、アルバイト:日額8000円/人
6.研究開発費:市場調査費や試作品製作費、外注費など
7.島外からの事務所移転費:離島外から離島への引っ越し経費など
これらの経費は、事業に使用したものとして明確に区分できるもので、かつ証拠書類によって金額が確認できるものに限られます。また、国や自治体の他の補助事業によって補助の対象となっている経費は対象外です。
<補助対象事業費>
事業計画期間1年間あたり、以下の額となります。ただし、補助対象事業費の4分の1以上の額(表1のカッコ内)を自己負担する必要があります。
特定有人国境離島地域事業活動支援利子補給金
雇用機会拡充事業に採択された場合、補助金が実際に支払われるのは、設備等の設置を確認した後です。つまり、いったん経費を自分で負担しなければなりません。そのための費用として、指定金融機関から無利子(低利)での融資(最長5年間[元金据え置きあり]、融資上限額7200万円)が受けられる可能性があります。
まとめ
特定有人国境離島地域では、人口の急減などに直面しており、地域社会の維持や活性化の必要性に迫られています。これらの活動を促進する目的で用意されているのが今回の定有人国境離島地域社会維持推進交付金です。一部自己負担の必要はあるものの、事業拡大であれば自己負担額を除いても最大1600万円の補助を受けられます。
事業の内容に共感し、離島で起業もしくは事業を拡大してみたいと思っているなら、ぜひ応募してみましょう。
出典
(※)北海道利尻町 令和5年度 特定有人国境離島地域社会維持推進交付金 -雇用機会拡充事業- 第1回公募要領(令和4年11月)
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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