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見込み残業代が支払われていても、「定時ピッタリに帰宅」は可能?

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月14日 23時30分

見込み残業代が支払われていても、「定時ピッタリに帰宅」は可能?

見込み残業代があらかじめ含まれている給与形態の場合、その分の残業について、どう対応するべきなのか問題となることがあります。   見込み残業代が毎月支払われる場合は必ず残業をしなければならず、定時ピッタリに退社することは許されないのでしょうか。

見込み残業代とは


 
見込み残業代とは、実際の残業時間にかかわらず、毎月の給与に含めて支払われる残業代で、固定残業代といわれることもあります。
 
例えば求人票に「見込み残業20時間(5万円)を含む」「給与には固定残業代30時間分(6万円)が含まれます」などと記載されていることがありますが、これが見込み残業代です。見込み残業代は、規定された残業時間に満たない場合であっても全額が支払われます。
 
とはいえ、見込み残業は従業員を定額でいくらでも残業させることができる制度ではありません。
 
見込み残業の時間を超える残業が発生した場合は、超過分の残業代を受け取ることができます。例えば見込み残業が20時間分で、実際には30時間の残業を行ったら、10時間分の残業代が別途支給されることになります。
 

見込み残業と定時退社

見込み残業代が給与に含まれている場合でも、定時ピッタリに退社することは可能なのか、転職活動中の方や見込み残業を導入している会社で就業中の方は気になる部分でしょう。
 
この点については、例えば見込み残業が月20時間や30時間などと設定されていても、法律上、残業がなければ毎日定時に退社しても問題ありません。見込み残業は、その時間分の残業を強制する制度ではないためです。
 
ただし、業務に著しく支障が生じるようなタイミングで、正当な理由がなく、定時だからと残業の拒否を繰り返していると、会社からの指導や懲戒処分の対象となる可能性もあります。
 

現実的に定時退社が簡単ではないことも

法律上では定時退社が問題ないとしても、実際に可能かどうかは就労環境によるところも大きいでしょう。
 
特に業務量が多い場合や、社内の雰囲気が定時で退社しづらいような場合では、自らアクションを起こす必要があります。
 

業務量が多い場合

業務量が多く、定時での退社が難しいケースでは、タスクを可視化するなど、効率よく業務をこなして残業がなるべく発生しないように工夫してみましょう。
 
また、見なし残業時間を超える残業が常態化している場合など、状況によっては部署内で業務の流れを見直す必要があるかもしれません。
 

会社が定時退社しづらい雰囲気の場合

残業を行う必要がないときでも、会社の雰囲気的に定時で退社しづらいという場合は、「気にせず定時退社する」「周囲に理解を求める」「転職を検討する」といった対応を取ることになるでしょう。
 
あらかじめ見込み残業代が給与に含まれているとはいえ、こうした状況では社風と自身の考え方が合わないということもあるため、転職を検討せざるを得ないケースが多くなるかもしれません。
 

見込み残業であっても定時での退社は可能

見込み残業は残業を強制するものではないので、法律上は定時で退社することは可能です。
 
ただし、業務の状況によっては残業するべき場面もあります。また、職場の雰囲気などによっては、事実上、残業を強制されているようなこともあるでしょう。
 
勤務先での見込み残業の運用について疑問に思うことがあれば、会社の所在地を監督する労働基準監督署に相談してみてください。状況次第では解決につながるアドバイスを受けられたり、会社に改善するよう指導をしてもらえたりする可能性があります。
 
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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