20歳になる子どもの「国民年金保険料」は親が支払うべき? 節税効果や注意点を解説!
ファイナンシャルフィールド / 2023年1月17日 11時30分
子どもが20歳になれば、学生でも国民年金保険料を納める義務が生じます。しかし、学生が月2万円近い保険料を毎月納めていくのは現実的に考えても難しいでしょう。 子どもが保険料を支払えない場合、「学生納付特例制度」を利用するか、親に納付してもらうかの2つの方法があります。 そこで本記事では、親が代わりに支払う方法に焦点を当て、メリットや注意点を解説します。
国民年金とは?
20歳以上60歳未満の学生や無職の人、自営業者などは第1号被保険者として、国民年金保険料を納める必要があります。収入のない学生の場合は、本人あるいは世帯主、配偶者のいずれかが納付する義務を負います。
なお、子どもがすでに公務員や会社などとして働いていて厚生年金に加入していれば、の保険者として本人の給与から差し引かれるため、国民年金保険料を別で納める必要はありません。
国民年金保険料は、納めることで老後の暮らしを支える役割を担うだけでなく、不測の事態に備えることも可能です。万が一事故や病気によって障害が残ってしまった場合には、「障害基礎年金」も受給できます。また、基礎年金の半分は国(税金)が負担しているため、支払った保険料を上回る給付を受け取ることが可能です。
子どもの国民年金保険料を親が支払う場合のメリット
親が代わりに子どもの年金を納めるメリットは、主に以下の2つです。
全額社会保険料の控除対象となり節税が可能
子どもの国民年金保険料は、親が代わりに納付することが可能です。親が支払うことで「保険料の全額が社会保険料控除の対象」となり、所得から控除できるため節税につながります。納付した国民年金保険料の社会保険料控除は、年末調整や確定申告によって、所得税や住民税を減税できます。
また、社会保険料控除を受けるには、「子どもと生計を一にしている」必要があります。なお、親が生活費や学費を支払っていれば、生計を一にしているとみなされるため、同居しているかどうかは問われません。
前納割引制度が利用できる
また、子どもの保険料の支払いは、「前納割引制度」を利用すると、納付額が安くなります。前納割引制度とは、保険料をまとめて納付すると保険料額が割引される制度のことで、6ヶ月前納・1年前納・2年前納から選択可能です。納付方法は、現金よりも口座振替のほうが割引額は大きくなります。
例えば、子どもの国民年金保険料を口座振替で2年前納した場合、納付額は38万1530円となり1万5970円が割引されます。
子どもの国民年金保険料を親が支払う場合の注意点
子どもの保険料を、親が前納割引制度を利用して納付した場合は注意が必要です。前納した後に子どもが会社員や公務員となって厚生年金に加入すると、給与から保険料が差し引かれますが、納付済みの国民年金保険料と重複します。
その場合、日本年金機構から届く「国民年金保険料還付請求書」に必要事項を記入して返送することで、重複して払いすぎた保険料が戻ってきます。ただし、「還付できる期限は2年間」と決まっているため、忘れないよう気をつけましょう。
もう1つの選択肢である学生納付特例制度とは
学生納付特例制度は、学生の間は国民年金保険料の納付が猶予される制度です。子どもが保険料を納められず、親が代わりに支払うことが難しい場合に、もう1つの選択肢として利用できます。「猶予された保険料は10年以内にさかのぼって納付することが可能です。
子どもが将来就職して追納する際には、社会保険料控除の対象となるので節税もできます。追納しない場合は、将来受け取る年金額が満額より少なくなるので注意が必要です。
余裕があるなら親が代わりに納付しよう
20歳になると学生でも国民年金の加入者となり、保険料を納める必要があります。しかし、収入のない子どもが毎月保険料を納付するのは難しいでしょう。
そういった場合は親が代わりに支払うことで、社会保険料控除の対象となって節税できたり、前納割引制度を利用することで保険料が割引されたりと、経済的な負担はありますがメリットも大きいです。
国民年金は老後のためだけでなく、障害を負ったときには障害年金が支給され、万が一に備えることも可能です。子どもに収入がないからといって、支払いを滞らせることがないよう気をつけましょう。経済的に余裕がない場合は、子どもに学生納付特例制度を利用させることも検討してください。
出典
日本年金機構 20歳到達時の国民年金の手続き
国税庁 No.1130 社会保険料控除
日本年金機構 国民年金前納割引制度(口座振替 前納)
日本年金機構 重複して納めた国民年金保険料を返してもらうにはどうしたらいいですか。
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
執筆者:新川優香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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