「月400円」で「168万円の年金」が作れる!? 公的な裏技の「付加年金」について解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年1月18日 23時10分
昨今、少子高齢化が進み、高齢者に対する社会保障が維持できないのではといわれています。そのような状況もあり、老後の年金が自分の生活費に対して足りなくなってしまうのでは、と不安を持っていませんか? 老後の年金はどうしようもないと思われがちですが、実は将来の年金を増やせる公的な制度がいくつもあります。 今回はたった毎月400円の納付で、老後の年金額を増やせる付加年金をご紹介しましょう。付加年金を理解して、将来への備えを考えるヒントにしてください。
付加年金は2年で元が取れるお得な制度
付加年金とは、国民年金の保険料に加えて、月400円の付加保険料を納付することでもらえる年金です。
年金を受給し始めると、「月200円×納付月数」の年金額が追加で支給され続けます。仮に20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)、付加保険料を納付すると、40年間で支払う金額は「400円×480ヶ月=19万2000円」です。それに対し、受給額は年間で「200円×480ヶ月=9万6000円」となります。
そのため、「9万6000円×2年間=19万2000円」と年金の受給開始から2年間たてば元が取れる、非常にお得な制度なのです。
付加年金の対象者や申込先などは、図表1をご確認ください。
【図表1】
出典:日本年金機構 付加保険料の納付のご案内より筆者作成
付加年金のシミュレーション
実際に付加年金を納めたら、年金がどの程度増えて得するのかシミュレーションしてみます。
30歳から64歳まで付加年金を納付し続け、85歳まで生きた場合、保険料と将来もらえる年金額は、図表2のとおりです。
【図表2】
出典:日本年金機構 付加保険料の納付のご案内より筆者作成
図表2のように保険料の合計額に対して、最終的には10倍もの年金額になって手元に戻ってきます。ここまで条件が良い制度はなかなかありません。
付加年金で知っておくべき3つの注意点
付加年金は非常にお得な制度ですが、次のような注意点があります。
物価スライドによる年金額の調整がない
会社員や公務員は対象外
2年以内に亡くなると損
付加年金を申し込むかどうかを判断するために大切なので、それぞれ説明します。
物価スライドによる年金額の調整がない
付加年金は、物価スライドによる年金額の調整がありません。物価スライドとは、物価の変動に伴ってもらえる年金額を調整する仕組みで、国民年金や厚生年金には導入されています。
しかし、付加年金には導入されていないため、物価がどんなに上昇しても、付加年金でもらえる年金額は「月200円×納付月数」から変動しません。ただ、2年で元が取れるほど利率が良い年金なので、そこまで気にしなくても問題ないでしょう。
会社員や公務員は対象外
会社員や公務員などの人は国民年金第2号被保険者となるため、付加年金を申し込むことはできません。申込みできる対象者は次のとおりです。
・国民年金第1号被保険者 (自営業者、学生、アルバイト、無職の人で20歳以上60歳未満)
・任意加入被保険者(65歳以上の人を除く)
※国民年金基金加入者は対象外
会社員や公務員の人は厚生年金に加入しているため、国民年金にのみ加入している人に比べて、基本的に多くの年金がもらえます。付加年金は、その差分を少しでも埋めるために作られた制度です。会社員や公務員の人は利用できませんが、特に自営業者でお金に余裕がある人は積極的に利用しましょう。
2年以内に亡くなると損
付加年金を受給し始めてから2年以内に亡くなってしまうと、保険料よりもらえた年金額の合計が下回ってしまうので損してしまいます。
とはいえ、そこまで心配はする必要はないかもしれません。厚生労働省の簡易生命表によると、2021年の日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳でした。仮に男性が年金受給を最も遅い75歳から開始したとしても、平均寿命まで約6年あるので、付加年金については十分元が取れます。
付加年金を活用して将来の年金額を増やそう
付加年金は、たった月400円の納付をすれば、2年で元が取れるお得な制度です。特に厚生年金が受け取れない国民年金第1号被保険者は、将来の年金額を増やすために検討するべきでしょう。
付加年金を有効活用して、ぜひ今のうちから老後の備えを始めてください。
出典
日本年金機構 付加保険料の納付のご案内
日本年金機構 付加年金
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
執筆者:増田賢人
2級FP技能士
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