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公的機関が融資を行う住宅ローン「財形住宅融資」の利用条件は?

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月21日 3時0分

公的機関が融資を行う住宅ローン「財形住宅融資」の利用条件は?

「財形住宅融資」という制度について、詳しく知らない人は多いのではないでしょうか。この制度は、会社で財形貯蓄をしている人を対象に、公的機関が持ち家やリフォームの取得資金の融資を行う、住宅ローンの一種です。   本記事では、財形住宅融資の制度概要や利用条件を分かりやすく整理しました。制度に興味がある人は、ぜひチェックしてください。

財形住宅融資とは

財形住宅融資とは、職場で財形貯蓄をしている人を対象に、財形貯蓄の残高に応じて住宅の建築・購入資金やリフォーム資金を融資する制度です。財形住宅融資には次の3種類があり、それぞれ融資を実施する機関や融資の仕組み、対象者が異なります。
 

財形住宅融資に申し込める人

財形住宅融資に申し込めるのは、次の条件を全て満たす人です。
 

(1)ご自分で所有及び居住するための住宅を建設または購入する方
 
(2)次の全てに当てはまる方
 

(ア)一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上継続して行っている方
(イ)申込日前2年以内に財形貯蓄の預け入れを行っている方
(ウ)申込日における財形貯蓄残高が50万円以上ある方

 
(3)勤務先から住宅について援助(負担軽減措置)を受けられる方
 
(4)独立行政法人勤労者退職金共済機構の財形転貸融資または共済組合等の財形住宅融資を受けられない方
 
(5)年収に占める全てのお借入れの年間合計返済額の割合(総返済負担率)が右の基準を満たしている方

 
 

●総返済負担率基準

  年収400万円未満:30%以下
  年収400万円以上:35%以下

 

●総返済負担率の計算式

  全ての借入れの年間返済額の1/12 (*)÷年収の1/12×100=総返済負担率(%)

 
 
(*) 全ての借入れとは、財形住宅融資のほか、財形住宅融資以外の住宅、自動車、教育、カード(クレジットカードによるキャッシングや商品の分割払いによる購入を含む)などのローンの借入れをいいます。
 
なお、ボーナス併用払いをご利用いただく場合でも、ボーナス併用払いをご利用いただかないものとして算出してください。
 

財形住宅融資の利用条件

財形住宅融資の主な利用条件は、図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

融資額 財形貯蓄の合計残高の10倍まで(最高4000万円)かつ、住宅取得価額の所要額の90%以内
返済期間 最長35年
金利方式 5年固定金利制(5年ごとに適用金利見直し)
返済方法 元利均等毎月払い・元金均等毎月払いから選択(融資額130万円以上はボーナス併用払い可)
保証人 不要
※転貸融資は事業主に連帯保証人または金融機関などの保証が必要
担保・抵当権 融資対象物件などを担保とし、融資を行う機関の第1順位の抵当権を設定
※転貸融資で金融機関などの保証を受けるときは不要
火災保険 返済完了まで必須
団体信用生命保険 あり

 
出典:(独)住宅金融支援機構「財形住宅融資のご案内」、(独)勤労者退職金共済機構勤労者財産形成事業本部「財形持家転貸融資制度の概要ご利用に関する条件」「財形持家転貸融資制度 担保・損害保険」より筆者作成
 
利用する財形住宅融資の種類によって細かい違いがあるため、申込前に必ず確認しましょう。
 

財形住宅融資の対象となる住宅・土地

財形住宅融資の資金使途は、大きく次の4つに分けられます。
 

●新築住宅の建設資金
●新築住宅の購入資金
●リ・ユース(中古)住宅の購入資金
●リフォーム資金

 
資金の使途によって制度の対象となる住宅・土地の条件が異なるため、利用時には注意しましょう。以下に、財形住宅融資の対象となる住宅・土地の条件を、資金の使途別にまとめました。
 

新築住宅建設

新築住宅建設および土地購入の資金の融資を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。
 

<住宅の条件>

●住宅の床面積70平方メートル以上、280平方メートル以下である
●融資を行う機関が定めた技術基準に適合する

 

<土地の条件>

●申込年度の前々年の4月1日以降に取得または取得予定である

 

新築住宅購入

新築住宅購入時の主な条件は、以下のとおりです。
 

●申込日前2年以内に完成または工事中または未着工の住宅である
●融資を行う機関が定めた技術基準に適合する
●住宅の床面積が、共同建てで40平方メートル以上280平方メートル以下、一戸建て・連続建て・重ね建てで70平方メートル以上280平方メートル以下である
●申込日前に売主から申込本人または第三者に所有権の登記がされていないもので、申込後に申込本人の所有になる住宅(土地を含む)
●まだ人が住んだことのない住宅
●敷地の権利が所有権または借地権(地上権で登記されているものまたは賃借権)である住宅
※定期借地権付住宅に対する融資も行っています

 
なお、土地融資のみの利用はできません。
 

リ・ユース(中古)住宅購入

リ・ユース(中古)住宅購入時の条件は、次の1から6までの全てに当てはまる住宅である必要があります。
 

1.次のいずれかに当てはまる住宅(新築後の経過年数を問いません)
 

(1)「適合証明書」により財形住宅のリ・ユース(中古)住宅のタイプのいずれかに適合すると証明されている住宅
(2)フラット35サイト「中古マンションらくらくフラット35」に掲載されている「適合証明書が省略できる中古マンション」であることが「適合証明省略に関する申出書」により確認された住宅
(3)「リ・ユースマンション適合確認書」により要件に適合すると確認された住宅
※1983年4月1日以降に新築された住宅(または建築確認日が1981年6月1日以降の住宅)でタイプがリ・ユースマンションの場合のみ該当

 
2.2つ以上の居住室(食事室を含む)ならびに台所、トイレおよび浴室がある住宅で、店舗などとの併用でないもの
 
3.建築後2年を超えた住宅(建築後2年以内の場合は、これまでに人が住んだことのある住宅)
 
4.申込日前に売主から申込本人に所有権の登記がなされていない住宅で、申込後、申込本人の所有になるもの(土地を含む)
 
5.敷地の権利が所有権または借地権(地上権で登記されているものまたは賃借権)である住宅
※定期借地権付住宅に対する融資も行っています
 
6.一戸当たりの床面積(専有面積)が40平方メートル以上280平方メートル以下の住宅
※土地融資のみの利用はできません

 

リフォーム

リフォーム資金の融資を受けられる物件について、主な条件は以下のとおりです。
 

●リフォーム後の床面積が40平方メートル以上である
●申込者本人または配偶者や親族が所有または共有している
●リフォーム工事の実施により、適合証明検査機関から適合証明書が交付される住宅である

 

申込条件を確認して財形住宅融資制度を活用しよう

財形住宅融資制度は、財形貯蓄をしている人が、財形貯蓄の残高をもとに住宅資金の融資を受けられる制度です。勤務先に制度がある人は、住宅ローンの検討時にあわせて利用を検討するとよいでしょう。5年ごとの金利見直しなど一般的な住宅ローンと利用条件が異なる部分もあるため、利用時には詳細をきちんと確認しましょう。
 

出典

独立行政法人住宅金融支援機構 Q 財形住宅融資には住宅金融支援機構を通じるものと事業所を通じるものなどがありますが、どのようなしくみになっていますか。

独立行政法人住宅金融支援機構 ご利用条件 財形貯蓄をしている方向けの住宅ローン 財形住宅融資

独立行政法人住宅金融支援機構 財形住宅融資のご案内

厚生労働省 財形持家融資制度

独立行政法人勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部 財形持家転貸融資

独立行政法人勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部 財形持家転貸融資制度の概要ご利用に関する条件

独立行政法人勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部 担保・損害保険

独立行政法人勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部 財形持家転貸融資の制度詳細返済期間・返済方法

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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