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相続を待たず、贈与で資産を生かす方法

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月24日 9時50分

相続を待たず、贈与で資産を生かす方法

「わが家の相続税はどうなるのか」と気になっている方の中には、生前贈与で財産を減らすことを考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。   節税効果だけでなく、子や孫に資産を渡すタイミングはとても大切です。相続時では遅すぎるのか……最適な時期について考えます。

暦年贈与制度と相続時精算課税制度

生前贈与にはいくつかの方法があります。贈与税の制度を軸に考えると、「暦年贈与制度」や「相続時精算課税制度」があります。
 
さらに、使い道を「住宅取得資金」「結婚・子育て資金」「教育資金」に限定した一括贈与については、要件を満たしていれば限度額までは非課税措置が適用されます。今回は代表的な2つの制度を確認します。
 
暦年贈与制度では、年間の贈与税を計算する場合に110万円の基礎控除が受けられます。300万円の贈与なら110万円を控除した190万円が課税価格となり、これをもとに贈与税額は計算されます。相続財産が多く節税対策のために財産の総額を減らしたい場合、もっともシンプルな方法として、毎年この範囲内で贈与する手法がとられるケースもあります。
 
ただし、毎年同じ時期に同じ金額を贈与していると、あらかじめ決まった金額を贈与する予定で“まとまった金額の贈与”と解釈される恐れがありますので注意が必要です。
 
暦年贈与には、他にも注意点があります。死亡前3年間に行われた贈与は、相続財産として扱われ、相続税の計算時に加算されます。病になった父親が、慌てて相続人となる子に財産を贈与しても、間もなく亡くなってしまうと効果はないのです。
 
年間110万円の基礎控除ですので、先の300万円の贈与も、2年に分けて150万円ずつ行えば一括で贈与するよりも節税できます。時間をかけて行うことが賢明なやり方といえます。税率は10~55%の累進税率となります。
 
「子どもに大きな金額を支援したい」という場合には、相続時精算課税制度があります。これは60歳以上の父母、祖父母から18歳以上の子、孫に贈与する場合という要件があります。この制度を選択すると、累計2500万円までは贈与税がかからず、超えた分に関しては一律20%の税率となります。
 
ですが、相続時精算課税制度の名前のとおり、相続が発生した時にこれまでの贈与分が相続財産に加算されて相続税が計算されます。将来の相続時ではなく支援してほしいタイミングで贈与を受けることは、子にとってはありがたいと思います。相続財産の先取りのイメージですが、暦年贈与のような基礎控除はありません。
 

資産を移転する時期を話し合う

2023年度の税制改正では、生前贈与に関する項目で見直しが行われることになりそうです。暦年贈与では相続税の加算期間が3年から7年に期間が延長されます。
 
また相続時精算課税制度では、これまでは少額でも必要だった申告が年間110万円までは不要となるようです。このように政府は次世代への資産移転を促しています。
(※2023年1月時点の情報です)
 
そもそも大事な資産を生かすためには、相続まで取っておく必要はないのではないでしょうか。
 
先日、Aさん(60歳)から生命保険の相談を受けました。彼女は54歳でご主人を亡くされました。現在2人のお子さんは社会人になって独立されています。ご主人を亡くされた時に生命保険のありがたさを実感したこともあり、その時に受け取った保険金のかなりの部分で新たに保険加入されています。内容は、ご自身の個人年金保険とお子さんを受取人にした生命保険です。
 
今回生命保険の一部を、生存給付金を受け取れるタイプにすることを検討されていて、充当する金額についての相談でした。話していると「子どもに多くを残したい」という気持ちが大きく伝わってきました。お子さんも巣立っているのですから、自分の生活を最優先に考えることが大切です。
 
例えば、Aさんが88歳の時、お子さんは60代になっています。その頃には生活も落ち着き、資産も形成されているでしょう。対策案の1つですが、40~50代で教育資金や住宅ローンに追われる頃に援助してあげたほうが、喜ばれるのではないでしょうか。今後、生命保険の部分解約なども視野にしてはどうかとお話しました。
 
今後の税制改正を機に、効率の良い資産移転について親子で話してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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