公示価格、標準価格・・・土地の価格ってどのようなものがあるの?
ファイナンシャルフィールド / 2023年1月25日 0時20分
今年も1月1日に土地の公示価格が決まりました(公示は3月中です)。これは国土交通省が決定するものですが、土地の価格にはこれ以外にも実勢価格(時価)や固定資産税評価額、相続税評価額などさまざまな評価額があります。 今回は土地の価格について、(1)公示価格、(2)基準地標準価格、(3)相続税路線価、(4)固定資産税評価額、そして参考として実勢価格(時価)の基準や目安を見ていきましょう。
それぞれの価格の特徴は?
上記の(1)~(4)の特徴・内容は表1の通りです。
【表1】
実際の不動産取引で用いられるのは実勢価格で、実際の不動産売買のときの価格でいわゆる「時価」となります。実勢価格はあくまで売主と買主の合意によるものですので、広告等に記載されている価格とは異なってきます。
もし、過去の売買価格が知りたいのであれば、「国土交通省 土地総合情報システム」で検索するのもよいかもしれません。
もう少し詳しく見てみよう
(1) 公示価格
まず、土地鑑定委員会(国土交通省)が標準値(標準的な地点)を選びます。その地点は全国に約2万6000地点があり、鑑定評価員(不動産鑑定士)2名による鑑定評価をもとに、毎年1月1日時点の1平方メートルあたりの正常な価格を判定し公示するものです。
一般的な土地の取引における指標、そして公共事業用地の取得価格算定の規準となり、適正な価格の形成に寄与することを目的としています。買い手と売り手ともに、「売り急ぎ」や「買い進み」等のいわゆる特殊な事情がないとされる取引において成立すると認められる正常価格であり、使用・収益を制限する権利が生じない土地のみ(更地)の価格です。
公示価格はあくまでも標準地の価格ですので、近隣であっても土地の形や接道状況といった条件が異なれば価格も異なるため、実勢価格を求めたい場合は、公示価格はあくまで参考程度になります。
(2) 基準値標準価格
都道府県での土地取引規制に際して、価格審査・地方公共団体等によって買収価格算定の規準とすること等を目的としています。そして、毎年7月1日の標準価格を都道府県知事が判定して公表するものです。
基準地価の評価方法は基本的に公示地価と基本的に同じですが、1地点を1人以上の不動産鑑定士で鑑定評価する、都市計画区域以外も含まれるのが異なる点です。
また、基準値標準価格は、公示価格と相互に補完関係にあり一部共通地点とすることにより、半年ごとの地価動向を示す特徴があります。
(3) 相続税路線価
国税庁のホームページで相続税路線価を見てみると、その地域の道路に「300Ⅾ」などの数字とアルファベットが書いてあります。数字は1平方メートルあたりの価格(千円単位)で、この場合は1平方メートルで30万円です。アルファベットは借地権割合を表しており、A~Gまであり表2のように設定されています。
【表2】
借地権割合とは、土地の貸主と借主の権利の割合で、借地権割合が大きいほど借り手の権利も大きくなります。借地権は相続財産となりますので、土地の貸主は借地権割合に応じて相続税の評価額を減額できます。
(4) 固定資産税評価額
固定資産税評価額は、上記の表のとおり3年に一度の評価です。地価が上昇していれば、所有者(納税者)に不利益は生じませんが、地価が下落していれば不利益が生じますので、市町村の判断により簡易方法で修正を加えることがあります。
最後に
多くの方は固定資産税評価額を使う機会がもっとも多いでしょうが、相続の場合や、マイホームを購入する場合は、それ以外の価格も参考にすることがあります。また、土地の価格は景気と連動している部分もありますので、不動産投資を考えている方は参考になるものです。
出典
国土交通省 土地総合情報システム
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表
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