日本人の平均寿命は「84歳」! 年金は何歳から受け取るべき?「遅く受け取ると損」って本当?
ファイナンシャルフィールド / 2023年1月27日 2時30分
![日本人の平均寿命は「84歳」! 年金は何歳から受け取るべき?「遅く受け取ると損」って本当?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_182491_0-small.jpg)
日本の年金制度は原則として65歳から受け取ることができる仕組みになっています。しかし、受給要件を満たしていた場合に限り、年金加入者の任意で受給開始を繰り下げたり、繰り上げたりすることも可能です。そのため、何歳から受け取ればいいか迷っている方もいるのではないでしょうか。 そこで、今回は仮に平均寿命まで生きた場合に、年金を何歳から受け取ればいいかを解説していきます。
そもそも日本人の平均寿命はどれぐらい?
日本人の平均寿命を調べた資料としては、厚生労働省の「令和3年簡易生命表の概況」が挙げられます。同資料によると、令和3年の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳です。同資料に記載されている最も古い年次である昭和22年時点の平均寿命は男性50.06歳、女性53.96歳であり、それと比べると30年以上も寿命が延びていることがわかります。
近年では老後への備えを促すキーワードとして「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりましたが、こうした平均寿命の延びが背景にあるわけです。
国民年金の場合
それでは日本人の平均寿命がわかったところで、実際にいつから年金を受け取るべきなのでしょうか。まずは国民年金の場合から考えていきましょう。令和4年度の国民年金保険料は、毎月1万6590円です。年金保険料の納付期間は基本的に20歳から60歳までの40年間なので、生涯にわたって支払う保険料は「480ヶ月×1万6590円=796万3200円」になります。
それに対して、令和4年度の国民年金受給額は満額で月額6万4816円です。仮に受給が始まる65歳から平均寿命の85歳まで20年間もらった場合、「240ヶ月×6万4816円=1555万5840円」になります。平均寿命まで生きると仮定した場合は、納付した保険料よりも受け取る年金のほうが多いので、繰上げ受給はしなくても元が取れると考えられます。
では、受給開始時期を1ヶ月遅らせるごとにもらえる年金額が0.7%増える繰下げ受給を選択するとどうなるのでしょうか。仮に75歳まで年金の受給を遅らせると、毎月もらえる年金額が84%(120ヶ月×0.7%)増えるので、約11万9261円(6万4816円×184%)になります。
ただし、平均寿命まで10年しかないので、もらえる総額は「11万9261円×120ヶ月=1431万1320円」と、65歳から受給するのに比べて少なくなってしまいます。一方で、69歳0ヶ月(増額率33.6%、受給期間16年)に受給開始する場合は、85歳までに約1662万6082円(6万4816円×133.6%×192ヶ月)もらえる計算になり、その他の年齢の誕生月(0ヶ月)よりも増えました。
厚生年金の場合
厚生年金の保険料は毎月もらう給与やボーナスなどの賞与によって、人それぞれ違います。そこで、仮に平均標準報酬月額が30万円だった場合で考えてみます。負担額は19等級に該当し、一般的なサラリーマンであれば月額2万7450円です。40年間納付した場合の合計額は「480ヶ月×2万7450円=1317万6000円」になります。
一方で、厚生年金の年間の受給額は「30万円×5.481÷1000×480ヶ月=78万9264円」(平成15年4月以降加入の場合)になる計算です。実際にはこれに国民年金も加えて受け取れるので、年間で156万7056円(78万9264円+77万7792円)もらえます。
仮に65歳から平均寿命の85歳まで受給した場合は、「156万7056円×20年間=3134万1120円」が受給額になり、納付額よりも1800万円ほど多くなることがわかるでしょう。
ただし、厚生年金でも繰下げ受給を選択することができ、その増額率は国民年金と同じく1ヶ月遅らせるごとに0.7%です。その条件で試算したところ、やはり69歳0ヶ月で受給開始(3349万7389円=156万7056円×133.6%×16年間)するほうがその他の年齢の誕生月(0ヶ月)で受給開始するよりも総額で多くなりました。
平均寿命まで生きると仮定するなら69歳ごろに受給スタートするとお得かも!?
今回は平均寿命まで生きた場合にもらえる年金額と納付額の関係を紹介しました。繰下げ受給は受給開始を遅くするたびにもらえる年金を増額する仕組みですが、平均寿命まで生きると仮定した場合、あまり遅らせると損をするかもしれない可能性があります。
ただし、今回はあくまでも現状の仕組みが続いた場合として試算しただけであり、今後も少子化による財源不足などを背景に制度が変わるかもしれません。また、平均寿命が延び続けるリスクもあるので、老後のプランを考えるときはそれらの情報も頭に入れながら検討してください。
出典
厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版))
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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