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年金を「75歳」で受け取る予定だけど、受給前に亡くなったら年金はどうなるの? 遺族は受け取れるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月27日 3時0分

年金を「75歳」で受け取る予定だけど、受給前に亡くなったら年金はどうなるの? 遺族は受け取れるの?

年金をなるべく増やして受け取ろうと年金受給の繰り下げを申請し、受け取り始める前に病気などで亡くなってしまった場合、受け取る予定だった年金はどうなるのでしょうか? 本記事で解説します。

相続人(遺族)が一時金として受け取れる

年金受給の繰り下げを申請して、受け取り始める前(待機中)に申請者本人が亡くなってしまった場合は、本人は年金を受け取れません。しかし、65歳から亡くなった月までの年金については「未支給年金」として相続人(遺族)が一括して受け取ることが可能です。
 

繰り下げ申請での増額予定分も加算されるの?

相続人(遺族)が受給できる亡くなった人の「未支給年金」の金額には、繰り下げ増額は反映されず「亡くなった本人の65歳時点での年金受給額 × 亡くなるまでの経過期間分」です。
 
未支給年金を受給できる相続人(遺族)には必要条件があり「年金受給(予定)者と生計を同じくしていた人」です(別居していた場合も含みます)。必要な条件を満たす人が必要書類を用意して年金事務所に申請すれば、未支給年金を受け取れます。
 

相続人(遺族)が受け取る「未支給年金」は、どのくらいの金額?

未支給年金には「相続税」は課税されませんが、受け取る相続人(遺族)の「雑所得」として確定申告が必要で、所得税と住民税がかかります。「遺族厚生年金」の支給要件を満たしている場合には、未支給年金(一時金)のほかに「遺族厚生年金」として、亡くなった配偶者の老齢年金の4分の3などを生涯にわたって受け取れることもあります。
 
<試算例>
65歳時点での年金受給予定の年額180万円(月額15万円)で、75歳までの繰下げ受給を申請していたAさんが68歳になった月に亡くなった場合、配偶者Bさん(66歳・合計所得金額1000万円以下)が申請して受け取れる未支給年金額・Bさんへ課税される所得税・住民税を試算してみましょう。
 
・Bさんが受け取れる未支給年金の金額計算
Aさんの65歳時点での年金受給予定年額180万円×3年分=540万円
 
・Bさんが支払う予定の所得税の計算
(年金収入年金収入金額に応じた割合(%)-年金控除=課税対象となる「雑所得」)
540万円×85%-68万5000円=390万5000円 
 
390万5000円-所得税基礎控除48万円×所得税率20%-税率に応じた控除金額42万7500円=所得税25万7500円
 
・Bさんが支払う住民税の計算
390万5000円-住民税基礎控除43万円×住民税率10%+住民税均等割額5000円=住民税35万2500円
 
※Bさんの社会保険料控除などは計算に入れていませんので、実際の税額は変動します。
 

まとめ

年金の繰下げ申請をおこなって、年金を受け取る前に亡くなっても、相続人(遺族)は「未支給年金」を受け取れます。そして、年金を受給中になくなった場合でも「未支給年金」はあります。年金は2ヶ月分を翌月に支給する「後払い方式」なので、最後の期間分は相続人(遺族)が請求を行う必要があります。申請に必要な書類など不明な点は年金事務所に問い合わせましょう。
 

出典

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
日本年金機構 年金の繰下げ受給
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 未支給の国民年金にかかる相続税の課税関係
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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