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第一種奨学金の最高月額6万4000円を4年間借りたら、大学卒業から返還までに何年かかる?

ファイナンシャルフィールド / 2023年1月29日 3時40分

第一種奨学金の最高月額6万4000円を4年間借りたら、大学卒業から返還までに何年かかる?

貸与型の奨学金は大学などの卒業後に返還する必要があるため、借入時に返済計画までイメージしておかないと、あとから大変な思いをする可能性もあります。   そこで日本学生支援機構の第一種奨学金について、大学時代の4年間で上限額となる月額6万4000円を借りた場合、返還までに何年かかるのか試算してみました。

第一種奨学金とは

独立行政法人 日本学生支援機構の貸与型奨学金には第一種と第二種がありますが、第一種は無利子となっており、有利子の第二種と比べて返還の負担が軽くなっています。
 
ただし、第一種奨学金は家計の収入要件や本人の学力など、採用の基準が第二種奨学金よりも厳しく設定されており、簡単に貸与を受けられるものではありません。
 

第一種奨学金を上限額まで借りたら返還に何年かかる?

第一種奨学金の貸与月額の上限となる6万4000円(2018年度以降の入学で私立大学・自宅外通学の例)を、大学在学中の4年間(2022年4月から2026年3月と仮定)で貸与を受けた場合、返還には何年かかるのか考えてみましょう。
 
4年間での貸与総額は307万2000円で、返還は原則として貸与終了の7ヶ月後から始まります。
 
月賦返還(貸与総額に応じた毎月の定額返還方式)を選択した場合、返還期間は2026年10月から2044年9月となり、毎月の返還額は1万4222円(最終のみ1万4270円)です。返還回数は216回で、返還が完了するまでに18年かかります。
 
図表1


出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「奨学金貸与・返還シミュレーション」
 

返還期間を短くする方法は?

奨学金は返還額の全額、または一部を繰り上げて返還することも可能となっており、繰上返還によって返還期間を短縮できます。
 
一部を繰上返還する場合、希望する金額の上限(実際の返還額は上限の範囲で繰り上げ可能な回数により調整)、または繰り上げする回数を選択でき、例えば毎月の返還額の10ヶ月分を1回で返還すれば、その分だけ返還期間が短くなります。
 
繰上返還を行うには、日本学生支援機構のスカラネット・パーソナルでの申し込み、または郵送などで繰上返還申込書の提出が必要です。
 
ただし、繰上返還が実施されるタイミングは申し込み時期によって下図のように異なり、例えば2月27日の口座振替日(返済日)に繰上返還をしたいという場合は、1月17日から2月14日(締め切り時間)までの間に申し込み手続きを済ませておく必要があります。
 
図表2


出典:独立行政法人 日本学生支援機構 「繰上返還申込み」
 
ここで注意したいのが、前月も繰上返還を行っているケースです。前月に引き続き繰上返還をする場合、申し込み開始時期は遅くなりますが、締め切りは変わらないため、手続きを行える期間が通常の繰上返還よりも短くなります。
 

第一種奨学金は貸与金額によって返還が長期間にわたる

大学の4年間、第一種奨学金で毎月6万4000円の貸与を受けた場合、卒後後、定額返還では毎月1万4000円以上の支払いを18年続けていくことになります。繰上返還によって返還期間を短縮できるものの、総額で307万2000円という大きな金額を返していくことに変わりはありません。
 
第一種奨学金は無利子のため、返還の負担が軽いだろうと漠然と考えるかもしれませんが、貸与額や返還計画について事前にしっかりとシミュレーションしておくことが大切でしょう。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 奨学金貸与・返還シミュレーション
独立行政法人 日本学生支援機構 繰上返還申込み
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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