プライベートブランド商品が安い理由は? 安全性や品質も徹底解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年2月4日 1時20分
大手スーパーマーケットやコンビニエンスストアに行くと、プライベートブランドの商品が並んでいるのが目にとまります。同じような商品なのに、メーカー品と比べてビックリするほど安い場合もあり、物価や光熱費が上がるばかりで収入が増えない中、低価格のプライベートブランドは家計の助けになってくれそうです。 しかし、「安いのには何か裏があるかも」「どうせ、安かろう悪かろうでは?」と疑いの気持ちを持っている人もいるのではないでしょうか? この記事では、プライベートブランドの概要と、低価格を実現できている理由、安全性について解説します。
プライベートブランドとは
マイボイスコム株式会社が、2022年12月1日~5日に「プライベートブランド商品に関する調査」(調査対象:MyVoiceのアンケートモニター9774名)を実施しました。
調査によると、プライベートブランド商品の購入経験者は9割弱。また、プライベートブランド商品を選ぶ場面として、以下のような結果が得られました。
1位「コストパフォーマンスが良い」50.1%
2位「価格を抑えたい、安いものを買いたい」45.0%
3位「その商品が気に入っている」33.0%
4位「味や品質、機能などが優れている」23.9%
このように人気の高いプライベートブランドですが、その概要について解説します。
プライベート ブランドの概要
プライベート ブランド(PB)とは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売業者が商品企画を行い、メーカーに製造を委託して作られた商品のことをいいます。作られた商品はメーカーのブランドではなく、委託した小売業者のオリジナルブランドとして販売されます。
プライベート ブランドは、製造以外の企画・販売に集中することで顧客のニーズをつかみ、新製品の開発に集中できるのが特徴です。
これに対して、ナショナルブランド(NB)とは、メーカーが企画・開発から製造まで行い、全国にある小売店で販売される商品、ブランドのことをいいます。
上記のマイボイスコム株式会社の調査結果が示すとおり、プライベートブランドは、低価格の商品が多く、コストパフォーマンスの優れた商品を購入できる点が、消費者にとって大きなメリットです。
プライベートブランド商品が安い理由
プライベートブランドの商品は、小売業者の店舗のみで販売するために作られています。そのため、全国のさまざまなお店で販売するナショナルブランド商品のように、商品を消費者に知ってもらうためにCMなどの広告宣伝費を使う必要がありません。
また、プライベートブランドでは、販売数のデータを基に必要な数だけメーカーに発注しています。小売業者側が原材料を一括で大量に仕入れ、メーカーへ卸すことで、製造コストを削減できています。
このように、ナショナルブランドで通常必要とされる広告費用や材料費を抑えることで、プライベートブランド商品の低価格が実現しているのです。
プライベートブランドの安全性や品質は大丈夫?
上記のマイボイスコム株式会社の調査ですが、「今後プライベートブランド商品を購入したいと思いますか?」の問いに対して、25%超の人が「購入したいと思わない」と回答しています。
その理由として、「プライベートブランドの商品は、品質や味に信頼が持てない」というものがみられました。このようなコメントが出るのには、何らかの背景があると思われます。
これまで、異物混入のような「食の安全」を脅かす事件が起きたのを背景に、2015年に食品表示法が施行されています。この法律ができるまでは、プライベートブランド商品の食品パッケージには、記号と数字を使って生産者を表示する「製造所固有記号」の使用が認められていました。
行政は生産者情報を届け出によって把握していますが、消費者にはただの暗号にしか見えないため、生産者が分かりません。
しかし、消費者がパッケージを見てすぐ確認できるよう、記号ではなく製造者名を記載する要望が出たこともあり、食品表示法によって、2020年4月以降にはすべてのプライベートブランド商品で製造元を明記する決まりになりました。
現在では生産者が誰にでも分かるようになったため、「誰が作ったか分からない」ということはなくなりました。パッケージの製造者を見ると、誰でも知っているような大手メーカーであることも多く、品質面でも大きな問題はなさそうです。
また、小売業者が海外から輸入している場合もパッケージで判断できるため、国内のメーカーで製造されたものにこだわりを持つ人には、購入時の判断基準になるでしょう。
まとめ
プライベートブランドの概要と、低価格を実現している理由、安全性について解説しました。
特にこだわりがなければ、高品質の商品をナショナルブランド商品よりも比較的低価格で購入できるプライベートブランドは、家計にとって大変心強い存在です。
日常的に購入するものをプライベートブランド商品に変えると、節約につながりそうです。消耗品やペットボトル飲料などをプライベートブランドにしてみるなど、少額でも長いスパンで見ると大きな節約になるでしょう。
出典
日本商業学会 日本におけるプライベートブランド市場拡大の可能性~食品表示法による製造者表示の運用厳格化に着目して
マイボイスコム株式会社 プライベートブランド商品に関する調査
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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