【暴れん坊将軍】「徳川吉宗」の実際の仕事内容とは? 実は「超高収入」だった!?
ファイナンシャルフィールド / 2023年2月7日 11時0分
時代劇などから「暴れん坊将軍」の名で知られている徳川吉宗。時代劇のなかでは貧乏旗本の三男坊「徳田新之助」として城下町に出かけ、町民の暮らしを自分の目で見てまわる様子が描かれています。その正体を知っているのは江戸南町奉行の大岡忠相だけです。実際の徳川吉宗はどのような人だったのでしょうか。 本記事では、江戸幕府8代将軍、徳川吉宗はどのような仕事をしていたのか、年収などについて解説します。
アグレッシブ将軍・吉宗による大胆財政改革
江戸幕府の第8代征夷大将軍である徳川吉宗は1684年11月27日、紀州藩主の徳川光貞と側室であるお由利の方(浄円院)との間に生まれました。父の光貞は、徳川家康の十男である徳川頼宣の長男です。つまり、吉宗は家康のひ孫にあたります。正室は理子女王、側室は6人いましたが、正室の理子女王が出産で亡くなって以降は正室はいませんでした。
実子は5人(男子4人、女子1人)、養子は2人です。紀州藩主時代の側室・須磨(深徳院)が生んだ家重が9代将軍となっています。吉宗は兄が次々と亡くなったことから四男ながら紀伊藩主となり、その後、江戸幕府の将軍として、さまざまな金銭関係の政策を実施しました。62歳で将軍職を嫡男の家重に譲った後は大御所として息子をサポートし、68歳のときに脳卒中が原因で亡くなっています。
・目安箱の原型は紀伊藩主時代からすでにあった
吉宗といえば、目安箱の設置が有名です。庶民の意見も取り入れなければならないという考え方から設置されたものですが、この目安箱の原型は紀伊藩主時代の訴状箱でした。宝永地震が原因で財政難に陥った際、吉宗は質素倹約を自ら実践していたといわれています。豊かな国にするためには幅広い意見を取り入れる必要があると考え、訴状箱が設置されました。
・幕府の財政・行政を大胆に見直した享保の改革
吉宗は将軍の地位につくと、徹底した倹約を行いました。幕府の行政を見直した際に設置したのが目安箱です。目安箱で民の意見を募集した結果、小石川養生所が設立されています。奉行所の負担軽減のために行った相対済令、優秀な人材を採用するために期間限定で給与を増額する足高の制などさまざまな改革が行われました。町火消しを創設したのも吉宗です。
吉宗の年収はおよそ1267億円
江戸幕府の征夷大将軍になると、朝6時に起床して着替えた後に朝食、健康診断を受けてから仕事を開始するという流れでした。健康診断は毎朝行われており、6人程度の医師によって将軍の健康状態を診ていたといわれています。
・公務は昼食後に2時間程度
朝食後は歴代将軍の位牌を御台所(正室)とともに拝んでから、大奥の女性たちから朝のあいさつを受ける「朝の総触れ」。10~12時頃までは通常勉学の時間、公務は昼食後に12~14時頃まで行いました。忙しい日は勉学の時間をなくし、公務の時間にするケースもありました。
公務の後は趣味の時間です。17時頃に入浴、18時に夕食をとり、その後は22時頃まで自由に過ごせます。22時には就寝しますが、このときに大奥に泊まる場合はあらかじめ連絡をしておく必要がありました。
・公務の内容とは
将軍の主な公務は書類に目を通し、それぞれを決裁することでした。吉宗は自らさまざまな改革を行っていたことから、書類に目を通すだけではなく、業務指示をしていたと考えられます。
・吉宗の年収は79万8800両
1730年の収支に関する資料に、吉宗の年収は79万8800両であることが記載されています。吉宗の時代は享保小判がありましたが、量目は17.78グラムです。2023年1月30日現在で金1グラムの小売価格が8924円なので、これを享保小判に当てはめると1枚約15万8669円となります。つまり、吉宗の年収はざっと計算して、1267億4479万7200円です。
徳川吉宗は超高収入だった
徳川吉宗は将軍職に就くと、幕府の財政を見直したり、新たなルールを設定したりとさまざまな改革を行いました。一般的な将軍の公務は主に書類を確認して決裁することでしたが、吉宗に関しては自らも動いて指示をしていたと考えられます。また、年収は記録によると約1267億円と非常に高収入でした。収入を見るだけでも、徳川幕府の将軍がどれだけ権力のある存在だったのかがうかがえます。
出典
神奈川県立歴史博物館 享保小判
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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