1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

平均寿命と平均余命の違いは? 新型コロナウイルス感染拡大で平均寿命はどうなった?

ファイナンシャルフィールド / 2023年2月8日 1時0分

平均寿命と平均余命の違いは? 新型コロナウイルス感染拡大で平均寿命はどうなった?

近年、日本人の平均寿命は年々延び続けているといわれ、2021年(令和3年)時点での平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳となっています。平均寿命という言葉は耳にすることも多く、生命保険の保険料の計算でも使われますし、年金の繰下げ受給の計算にも使われているようです。   一方、平均余命という言葉もよく聞かれるようになりました。   この記事では、平均寿命と平均余命の関係や、平均寿命の最近の動向について説明したいと思います。

平均寿命と平均余命


 
平均寿命とは、0歳の人の平均余命、すなわち「0歳の人が今後何年生きられるか」の平均値を示します。
 
一方、平均余命とは、「ある年齢の人が今後何年生きられるか」の平均値を示します。例えば、50歳の男性の平均余命が32.93年だとしたら、50歳の男性は平均82.93(=50+32.93)歳まで生きられるということになります。
 
図表1で、主な年齢の平均余命を見てみましょう。
 
【図表1】

 
まず、2021年の簡易生命表のベースでは、平均寿命は、男性:81.47歳、女性:87.57歳となっています。Aは、それぞれの年齢に達した人が何歳まで生きられるかの平均値です。これを、「○○歳の人の平均生存年齢」とよぶことにしましょう。
 
「A-平均寿命」は、それぞれの年齢に達した人の「平均生存年齢」から平均寿命を引いた値です。これを見て分かるように、「A-平均寿命」はプラスなので、「○○歳の人の平均生存年齢」は平均寿命より長いということができます。
 
図表1から見ると、例えば、80歳の人の平均生存年齢は男性89.22歳、女性92.12歳で、男女とも80歳になれば、平均的には約90歳まで生きられるということができます。また、90歳の人の平均生存年齢は男女とも95歳前後ですから、90歳になった人は、人生100年時代も視野に入ってくるといえるでしょう。
 
総務省統計局の調査によると、2022年8月1日時点における100歳以上の人口は8万9000人で全人口の0.07%、90歳以上の人口は254万3000人で全人口の2.0%となっています。この割合が今後増えるかどうかで、「人生100年時代」が本当に訪れるか否かが判断できるでしょう。
 

平均寿命と平均余命の推移

図表2から分かるとおり、日本人の平均寿命は東日本大震災の影響で減少した2011年以降、ずっと延び続けていました。
 
ところが2021年は、前年に比べるとわずかですが減少しています。死因から見ると、男女とも悪性新生物(腫瘍)、肺炎、交通事故などの死亡率は低下したものの、新型コロナウイルス感染症などの死亡率が上昇し、結果として全体の平均寿命が減少したことがうかがえます。
 
【図表2】


 
【図表3】

 
厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」による
 

まとめ

この記事では、以下の点を説明しました。

(1)平均寿命と平均余命の違い
(2)「○○歳の人の平均生存年齢」は平均寿命より長くなること
(3)2021年の平均寿命は、新型コロナウイルス感染症の影響で、東日本大震災以来初めて減少に転じたこと

 
今後の日本における超高齢化の動きは、これらの動向を踏まえながら見ていく必要があるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況
総務省統計局 人口推計 2023年(令和5年) 1月報
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください