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【簡単解説】「専業主婦はタダで年金をもらえて『ズルい』」という理論は「感情論」? 実際どうなの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年2月8日 2時30分

【簡単解説】「専業主婦はタダで年金をもらえて『ズルい』」という理論は「感情論」? 実際どうなの?

年金保険料の負担や受給の話をする際に、「専業主婦(主夫)は働いていないのに年金がもらえてずるい」という声が時折聞こえてきますが、実際はどうなのでしょうか?   本記事では専業主婦(主夫)が本当に得をしているのか、会社員の夫と専業主婦の世帯と、夫婦ともに働いている世帯を比較して解説しています。

そもそもなぜ専業主婦は「ずるい」と言われることがあるのか

日本国民は20歳を迎えると、全員国民年金の保険料を支払わなければなりません。これは国民年金法という法律に明記されている、国民の義務です。
 
しかし、公務員や会社員と結婚して扶養されている被扶養者は、基本的には保険料を支払う必要はありません。このようなサラリーマンや公務員に扶養されている人たちを「第3号被保険者」といいます。一方、第3号被保険者は、保険料を支払っていないものの、将来は老齢年金を受給することが可能です。
 
仕事を持つ人からすると、「専業主婦(主夫)は負担なしに年金をもらえて不公平だ」という人もいるかもしれません。
 

世帯所得で考えると平等

会社員などで扶養に入らずに働いている人からすると、「自分で払っていないのにもらえて『ずるい』」と感じることもあるでしょう。また、専業主婦(主夫)の立場の人からすると、「自分は家事や育児などを担っているのに、ちゃんとしたお給料はもらえないのだから不公平ではない」と言いたくなるかもしれません。
 
しかし、大事なのは、世帯単位で見たときに、負担した保険料額と受け取る年金額について、本当に専業主婦(主夫)が得をしているのかどうかです。
 
そして実際のところ、夫婦で働いていても、専業主婦(主夫)でも、単身でも、1人当たりの賃金水準が同じであれば、どの形の世帯でも年金給付の月額と所得代替率は同じになります。
 
具体的に、(1)夫婦それぞれが会社員で20万円ずつ稼いでいる(夫A、妻B)(2)夫が会社員で40万円稼いでいる(夫C、妻D)の2パターンをみてみましょう。
 
結論としては、この場合(1)と(2)で受け取る世帯合計の年金額は同額です。まず、基礎年金部分は加入月数が同じであれば、全員同じ額受け取れますので、年金額は夫A=妻B=夫C=妻Dとなります。
 
続いて、基礎年金に上乗せされる、厚生年金の報酬比例部分を見てみましょう。この報酬比例部分については、事例の40万円の場合は20万円の2倍の給付があります。そのため、年金額は夫A+妻B=夫Cとなります。
 
ちなみに、(3)として単身で20万円稼ぐEさんがいたとしても、給料が20万円であれば(1)の1人分と同じ年金額です。
 
つまり、世帯がどのような形であるかは関係なく、1人あたりの給料が同じであれば、どの世帯でも給付水準は同じになるということです。
 

専業主婦はずるいというのは誤解


世帯の収入が同じであれば、受け取る年金の総額は同じとなります。決して専業主婦(主夫)が「ずるい」というわけではありませんので、制度について正しく理解しましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 は行 報酬比例部分

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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