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年金の「受け取り前」に亡くなった場合は「損」するだけ? 遺族が受け取れる場合についても解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年2月14日 23時30分

年金の「受け取り前」に亡くなった場合は「損」するだけ? 遺族が受け取れる場合についても解説

年金は原則65歳になると受給できますが、受給開始を繰り下げることで、年金を増額させることもできます。年金の繰下げ受給は、平均寿命が長くなっている今日では年金を増額して受け取るための有効な方法です。しかし、年金の繰下げ請求をする前に亡くなった場合、受け取るはずだった年金はどうなるのでしょうか?   そこで本記事では、年金の繰下げ制度について紹介すると共に、年金の繰下げ請求をする前に亡くなった場合はどのようになるのかについて解説していきます。

年金の繰下げ制度の仕組み

年金の繰下げ制度は、本来年金の受け取りが開始する65歳から受け取るのではなく、65歳以降に年金の受け取りを遅くすることで、遅らせた分だけ年金を増額することができる制度です。2022年4月から75歳まで年金の繰り下げができるようになりました。
 

繰下げ制度のメリット

年金の受け取りを遅らせた月数×0.7%が年金額に増額されます。1ヶ月単位で年金の受け取りを決めることが可能です。例えば、70歳0ヶ月で繰下げ請求をした場合は、本来の年金額に42.0%が増額されます。
 
また、増額された年金額は一生涯受け取ることができるので、1年間の受給金額を増額させ、亡くなるまで増額した年金額を受け取ることが可能です。
 
老齢基礎年金と老齢厚生年金をそれぞれ繰り下げることができ、一方のみを繰り下げることもできます。自身に合った年金の受け取り方を選択してください。
 

繰下げ期間中に亡くなった場合

65歳以降から繰下げの請求をするまでの期間を繰下げ期間と言います。この繰下げ期間中に亡くなった場合は、受け取るはずだった年金を自身で受け取ることはできなくなってしまいます。しかし、遺族が代わりに年金額を受け取ることが可能です。このときの年金が「未支給年金」です。
 

「未支給年金」として遺族が受け取れる

未支給年金を受け取ることができるのは、亡くなった人と生計を同じにしていた遺族です。具体的には、配偶者、亡くなった人の子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、それ以外の3親等内の遺族が対象になります。優先される順位もこのとおりです。
 

繰り下げたことで増額した金額はどうなる?

繰り下げの請求は遺族が代わりにできないので、65歳時点の年金額が決定すると、亡くなった人が本来受け取るはずだった年金が未支給年金として遺族に支払われることになります。そのため、繰り下げて増額した金額で受け取ることはできず、65歳時点の年金額しか遺族は受け取ることができません。
 
また、未支給年金の請求をした時点から5年分までの年金しか受け取ることができないようになっています。5年よりも前の年金については時効によって消滅してしまうからです。
 
繰下げ制度はメリットもありますが、繰下げ期間中に亡くなった場合は増額した年金額を本人だけでなく遺族も受け取れないというデメリットがあります。繰下げ請求をするかは慎重に考えましょう。
 

メリットだけでなくデメリットについても考えてみましょう

本記事では、年金の繰下げ制度について紹介すると共に、年金の繰下げ請求をする前に亡くなった場合はどのようになるのかについて解説してきました。年金の繰下げ制度は、長生きすることができれば増額した年金額を一生涯受け取れるのでメリットは大きいです。
 
しかし、年金を受け取るまでに亡くなった場合はデメリットもあるので繰下げ制度を利用するかについては慎重に考えてください。また、2023年4月からは「みなし繰下げ制度」が開始されます。繰下げ制度の開始時期について、選択肢が増えたのでこちらについても確認してみましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給

日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき

日本年金機構 令和5年4月から老齢年金の繰下げ制度の一部改正が施行されます

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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