何に投資する? 投資対象はどのように選べばいい?
ファイナンシャルフィールド / 2023年2月16日 3時20分
資産運用といえば、株式や債券に加えて不動産が代表例です。先日、筆者は東京ビッグサイトで開催された“資産運用EXPO 2023”に参加し、「こんな投資対象」「こんなやり方」という発見をしました。資産運用とひと口に言っても、選択肢は広がっています。
資産運用の選択肢は多い
資産運用の代表格は株式や債券など、いわゆる証券取引所で売買されている商品が一般的です。また、不動産のように現物を持ち、オーナーとして賃料収入を得るケースもあります。
最近は「ワンルームマンション投資」として、若年層の方も興味をお持ちの方がいらっしゃるでしょう。「管理するのは難しいのでは?」という人には不動産を小口化した商品もあり、例えば1口100万円などといったパッケージになっているものもあります。
今回の資産運用EXPOでは、少し変わった投資商品が出展していました。いくつかを紹介します。
(注意:以下、あくまで投資商品の一例として記載しています。投資を勧めるものではありません)
1つ目は「温室きのこ」を投資対象にしたスキームです。農業に投資するものは珍しいという説明でした。一般的な農作物は収穫が天候に左右されますが、温室で栽培されるキノコならリスクは少なくて済むというものです。栽培に関してはすべて委託しますので、農業に関する知識はいりません。
食料自給率を高める動きがありますので、出資金を集めるためにも、このような商品が増えていくかもしれません。最近のトレンドとして、若年層も出資しやすいように、商品の小口化が進んでいると感じます。また、分散投資の考え方が浸透していることも寄与しているかもしれません。
盛況だったブースが「ウイスキー投資」です。
イギリスの醸造蔵に保管されているウイスキーに1樽単位で投資します。「熟成年数 銘柄名 金額」の書かれたシートがウイスキーの写真に添えられています。説明によると、ウイスキー投資ならではの強みは、“値段が下がらないこと”だそうです。
株式などでは、時々の景気変動などによって値段が上下に動きますが、ウイスキーの場合は寝かしておくことで熟成が進み、それに伴って値段が上昇するとのこと。熟成年数の浅いものを短期間で売却した場合は手数料分を回収できないこともあるようですが、じっくり寝かしておけるのであれば、リスクは為替変動ほどを想定できるそうです。
本来なら保管など素人では管理しきれない部分がありますが、これは事業者に委託できます。ただし、手数料はかかります。
同様に、値下がりしない投資商品として出展していたのが「アンティークコイン投資」でした。こちらは持ち運びも容易という特徴があります。
いずれの投資も、大なり小なり、さまざまなリスクを伴います。“必ず”もうかる投資はないと心得て、投資先の決定はじっくりと検討してから行ってください。
出口戦略を考える
資産運用に興味を持つと、ついつい増やすことに着眼してしまいます。ですが、自分のライフプランとの相性を、出口戦略から考えることも忘れてはいけません。「何年後にいくらの資金が必要で、そのターゲットに向けてこの投資しているのか」を洗い出すことです。
例えば、先例のウイスキー投資。現地で幼い子どもを持つ女性が契約したそうです。大学進学のタイミングまで10年以上の期間があるので、その間熟成させるとのこと。資金が必要になる頃に、為替の状況を見計らって売却すれば成功する可能性はあるかもしれません。
ウイスキー投資を紹介する担当者に取材したところ、誰もが大きく値上がりすることを期待しますが、実は値上がりするとデメリットもあるそうです。「高額になると買い手を見つけることが難しくなる」という説明でした。このことから、流動性という観点も忘れてはいけません。高額ウイスキーだけでなく、不動産・絵画・アンティークコインなどは、即換金できない可能性もあるので要注意です。
このように投資商品には一長一短があります。デメリットを正しく理解すること、あくまでも余裕資金で始めることを念頭に、資産運用をしてほしいと思います。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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