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【2023年実施】「割増賃金率」をはじめ労務関連でどんな「法改正」がある? ポイントを確認

ファイナンシャルフィールド / 2023年2月18日 11時40分

【2023年実施】「割増賃金率」をはじめ労務関連でどんな「法改正」がある? ポイントを確認

2010年の改正労働基準法により、長時間労働の抑制などを目的とした時間外労働の割増賃金率の引き上げが実施されていました。2023年4月からは、その対象企業の範囲が拡大するとともに、新たに「給与のデジタル払い」の運用が開始されます。   ここでは、2023年4月1日からの労務関連の法改正に関するポイントを確認してみたいと思います。

改正1:割増賃金率の適用範囲が中小企業にも拡大

労働基準法の改正により、2010年4月から1ヶ月の時間外労働(1日8時間、1週40時間を超える労働時間)が60時間超の場合、残業割増賃金率を50%以上に引き上げることとされました。
 
長時間労働の抑制などを目的とするこの改正については、企業側の負担を考慮して、特に影響が大きい中小企業には適用が猶予されてきましたが、2023年4月1日からは猶予措置を終了し、中小企業に対しても適用範囲が広がることになります。
 

2023年4月1日以降の残業割増賃金率

中小企業にも適用される残業割増賃金率をまとめると、以下のとおりです。

(1)時間外労働が60時間以下:25%
(2)時間外労働が60時間超:50%
(3)法定休日労働:35%

1ヶ月起算日(毎月1日)からの時間外労働時間数を累計し、60時間を超えた時点からは、50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。時間外労働時間の算定には、法定休日労働の時間は含まれませんが、それ以外の休日(例えば土曜日)に行った労働時間は含まれます。
 
また、月60時間超の時間外労働を深夜労働の時間帯(22時~翌5時)に行った場合の割増賃金率は、「深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%」となります。
 
特に中小企業にとっては、割増賃金の支払いに伴う負担の増加とともに、就業規則の変更や勤怠管理システム、給与計算システムの設定変更など、さまざまな準備も必要となります。
 

改正2:給与のデジタル払いの運用開始

労働基準法では賃金について、(1)通貨で、(2)直接労働者に、(3)全額を、(4)毎月1回以上、(5)一定の期日を定めて支払わなければならないと規定されています。これを前提として、労働基準法施行規則において使用者は労働者の同意を得た場合、労働者が指定する銀行口座などへの振り込みにより賃金を支払うことが認められています。
 
スマートフォンの普及やキャッシュレス決済率の増加などを受け、上記の銀行振込の方法以外にも、一定の要件を満たした場合には資金移動業者の口座への支払いを可能とすることとされました。
 
この改正によって、例えばスマートフォンの決済アプリのアカウントを給与の受け取りに利用するケースなどが想定されます。企業側にとっては、企業のアカウントを利用して送金することで、給与振込にかかる手数料が安価に抑えられるなどのメリットがあるといわれています。
 
対象となる資金移動業者は2023年4月1日の省令施行以降、申請に基づき、厚生労働省が審査した上で指定される予定ですが、現状では資金移動業者の口座残高の上限額は100万円とされているため、給与のデジタル払いが利用できないケースも考えられます。
 

まとめ

経済産業省によると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%となっており、さらに2025年までに4割程度、将来的には世界最高水準の80%まで上昇させることを目指すとしています。今後、給与のデジタル払いが普及することで、より一層キャッシュレス決済比率も上がっていくのではないでしょうか。
 
昨今では、子どもに渡すお年玉も現金ではなく、電子マネーなどを利用したデジタル化が進んでいるようです。2024年上半期には新紙幣の発行が予定されていますが、世の中のデジタル化がさらに進展していくことで、新紙幣を一度も使ったことがない人も出てくるのかもしれません。
 

出典

経済産業省 2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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