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【異次元の少子化対策】児童手当の「所得制限」が撤廃に? 所得制限のデメリットを確認

ファイナンシャルフィールド / 2023年2月23日 10時30分

【異次元の少子化対策】児童手当の「所得制限」が撤廃に? 所得制限のデメリットを確認

児童手当の「所得制限」は撤廃するべきか維持するべきか。そんな議論が白熱しています。   政府の少子化対策案の中には「所得制限の撤廃案」も含まれているようです。また、与党だけでなく野党の一部にも撤廃を主張する声があります。所得制限の対象になっている当事者からも、撤廃を求める声が少なくありません。   一体何が問題なのかを知るために、所得制限のデメリットについて確認しておきましょう。

児童手当の仕組み

児童手当は「家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする」ために設けられている制度です。(児童手当法第1条)
 

・支給対象

児童手当は、中学校を卒業するまで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人を対象としています。ただし、児童手当には所得制限が設けられていて、夫婦どちらかの年収(目安)が1200万円以上の世帯は支給対象外です。
 

・支給額

児童手当の支給額は、3歳未満は児童1人当たり月額一律1万5000円、3歳以上(小学校修了前)は児童1人当たり月額1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は児童1人当たり月額一律1万円となっています。
 
なお、養育者の所得が「所得制限限度額以上で所得上限限度額未満」の世帯への支給額は、児童1人当たり月額一律5000円(特例給付)です。
 

所得制限の概要

児童手当制度は1971年に制定された「児童手当法」1条に前述の通り、理念が規定されています。この理念にのっとって、制度発足当初から「所得制限」が設けられていました。
 
その後、民主党が政権与党だった2010年4月分~2012年5月分までの約2年間は、所得制限のない「子ども手当」が支給されます。中学校を卒業するまでの児童が対象で、支給額は1人当たり1万3000円でした。
 
ところが、東日本大震災の復興財源の確保を迫られたことや自民党などの強い反対によって、2012年4月分からは再び「児童手当」へと名称が変更されました。
 
同年6月分からは所得制限も復活して年収が一定額以上の世帯には、児童1人当たり月額一律5000円の特例給付が支給されることが決定。2022年10月からは、夫婦どちらかの年収(目安)が1200万円以上の世帯への特例給付が廃止されています。
 

所得制限のデメリット

夫婦どちらかの年収(目安)が1200万円を超える世帯の児童手当の所得制限撤廃には、「高所得世帯優遇」「ばらまき政策」といった批判が少なくないようです。その一方で、所得制限には「高所得世帯からの反発」や「社会の分断を招く」といったデメリットが指摘されています。
 

・経済的な負担が重くなる高所得世帯

国税庁「民間給与実態統計調査(令和3年分)」によると、年間給与の総額が1200万円を超える人の割合は全体の4.9%です。そのため、国はこの世帯を「高所得世帯」として児童手当の支給対象から除外しています。
 
特例給付だけでもあれば、年間6万円の給付を子どもの教育資金として積み立てておくことも可能でした。ところが、2022年10月からの新たな所得制限によって、税金や社会保険料が高額な高所得世帯の中には、「子どもを産めば産むほど経済的な負担が重くなる」という世帯も少なくないようです。
 
高所得世帯の所得制限に対する不満が高まれば、児童手当だけでなく国の子育て政策に対する反発を招きかねません。その結果として、複数の手当の対象になる世帯との、さまざまな面における分断が生じる可能性も懸念されます。
 

「所得制限撤廃」議論の今後の動向に注目しよう

児童手当の「所得制限撤廃」が政府の少子化対策案の一つとして持ち上がっています。
 
児童手当には所得制限が設けられていて、児童を養育している夫婦どちらかの年収(目安)が1200万円以上の場合は支給されません。そのため、高所得世帯からの不満や、その結果として社会の分断を招きかねないといったデメリットが指摘されています。
 
国民的議論も巻き起こりつつあるため、今後の動向に注目していきましょう。
 

出典

内閣府 児童手当制度のご案内
e-Gov法令検索 児童手当法
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査
国税庁 No.2260 所得税の税率
国税庁 主な税制改正について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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