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災害や盗難の被害に遭ったら確定申告!? 「雑損控除」とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年2月25日 3時20分

災害や盗難の被害に遭ったら確定申告!? 「雑損控除」とは?

所得税や住民税には、個別の事情を加味して税金の金額を調整するための「控除」という仕組みがあります。   多額の医療費がかかったときの「医療費控除」や住宅ローンを組んだときの「住宅ローン控除」などが比較的よく知られていますが、災害や盗難に遭ったときには「雑損控除」の対象になる可能性があるのをご存じでしょうか。

「雑損控除」とは?

雑損控除は、災害や盗難などの被害に遭った人が一定の条件を満たした場合に受けられる控除です。税額を計算するときのもとになる「所得」から以下の金額を差し引くので、その分、所得税や住民税の負担を減らせます(所得控除)。
 

【雑損控除の金額】※(1)(2)いずれか多いほう

(1) (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
(2) (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

 
ざっくりいうと「損害金額」は被害額、「災害等関連支出」は壊れた自宅や家財の取り壊し・除去、盗難された資産の原状回復などのためにかかった費用のことです。
 
被害が大きく保険でカバーできない自己負担分が多い人ほど、税負担が軽くなる仕組みになっています。その年の所得から控除しきれない場合は、翌年以降も最大3年間にわたって控除を受け続けることができます。
 

雑損控除の対象になる損害

雑損控除は、さまざまな被害を受けた際に利用できます。
 

【雑損控除を受けられる損害】

(1)震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
(2)火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
(3)害虫などの生物による異常な災害
(4)盗難
(5)横領

 
本人だけでなく、所得48万円以下の、納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族が所有している資産が被害を受けた場合も対象になる可能性があります。ただし、別荘や30万円超の骨董品や貴金属など「生活に通常必要ない資産」とされるものや事業用の固定資産などは被害に遭っても対象にならないので要注意です。
 
雑損控除とは別に、その年の所得が1000万円以下の人が利用できる「災害減免法による所得税の軽減免除」という制度もあります。両方の対象になる場合でもどちらか一方しか申告できないので、よく比較して有利なほうを選びましょう。
 

雑損控除を受ける方法は?

雑損控除の適用を受けるには、確定申告をする必要があります。り災証明書や保険金の支払通知書、災害に関連した費用を支払ったときの領収書などがあれば保管しておくようにしましょう。
 
近年は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というウェブサイトを使って、スマホだけでも確定申告書の作成や提出ができるようになっています。
 
分からないところがあれば、税務署に問い合わせれば教えてもらえるはずです。地震など被害が広範囲に及んでいる場合は、自治体が住民向けの説明会を開催している場合もあるので確認してみましょう。
 

おわりに

年末調整や確定申告を行うことで税金の負担を軽くできる「控除」。よく知られたもの以外にも、被災時に役立つ「雑損控除」などさまざまな種類があります。
 
控除は基本的に自分から申告しないと適用されません。金銭的に大きな負担がかかる出来事があったときは、何かしらの控除の対象になるかもしれませんので、一度確認してみるのがおすすめです。
 

出典

国税庁 No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

 
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表

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