女性が「130万円の壁」を超えられないのは「家事・育児・介護」の負担が大きいから!? 社会や制度上の課題を解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月1日 10時20分
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配偶者の扶養に入りつつ働いている人にとって、年収の壁は頭の痛い問題ですよね。 しかし、この年収の壁に悩んでいるのは働く人々だけでなく、雇っている企業も同じ。日本・東京商工会議所が発表した「女性、外国人材の活躍に関する調査」を見てみましょう。
女性が活躍できる社会、実現できている? 女性管理職がいない中小企業が4割超え
この調査は、全国の中小企業6007社を対象に行われたもの。まずは女性活躍の実態を探るべく、女性の管理職の比率をチェックしてみます。
1位:0% 43.2%
2位:0%超~10%未満 28.4%
3位:10%~30%未満 15.6%
4位:30%~50%未満 5.4%
5位:50%以上 4.7%
なんと1位は、0%という結果に。半数近い企業の管理職に女性がいないという事実が判明しました。全体を見ると、「うちの管理職は30%以上が女性」という企業はたったの10%程度ということになります。男性が優勢の企業がとても多いようですね。
そんななか、今後女性の管理職を増やそうと思うかについては、「増やす」が32.4%、「現状維持」が31.6%、そして「未定」が33.8%でした。積極的に増やそうという企業と、特に増やさず現状維持という企業と、まだ検討していない/検討中という企業がほぼ同率で分かれたという結果に。
女性の躍進が声高に叫ばれるなか、このように3つに分かれてしまう理由はどのようなところにあるのでしょうか。
女性が思うように活躍できない背景に「家事・育児・介護等の負担集中」が?
企業が考える女性活躍の障壁は、以下のようになりました。
1位:家事・育児・介護等の負担が女性に集中している 45.7%
2位:税・社会保険負担(106万円、130万円の壁等)が障壁となり、就業時間の調整を意識する女性社員が多い 36.7%
3位:女性だけを対象とした取組の必要性を感じない 27.2%
半数近くの企業が、家事や育児などの負担が女性に集中していることが課題だと回答。さらに4割近い企業が、いわゆる「106万円、130万円の壁」が女性の活躍を妨げていると感じているようです。
配偶者の扶養に入っている人の年収が103万円を超えると、扶養を外れて勤務先の社会保険への加入義務が生じる場合があります。
さらに年収が130万円を超えると、すべての人が扶養から外れ社会保険に加入しなければならなくなります。
扶養に入りつつできる範囲で仕事をしたいと考えると、どうしてもネックになるのがこの年収の壁です。「時短で働かないと収入オーバーになってしまう」「責任感のあるポジションでバリバリ働きたいけど、年収130万円を超えられない」といったもどかしさがあっては、仕事で活躍したくてもできないというもの。
とはいえ年収130万円を少し上回るくらいの収入で社会保険に加入すると、手取りががっつり減って生活が苦しくなってしまうケースも考えられます。扶養内で働いている女性にとって、この年収の壁は本当に大きな問題ですよね。
さて、では企業側は政府にどのような対策を期待しているのでしょうか。
1位:税・社会保険負担(106万円、130万円の壁等)による障壁の是正 47.2%
2位:女性社員のキャリアアップ意欲の醸成に向けた研修やセミナーの実施 30.7%
3位:女性活躍推進の取組によって生じる費用負担(女性更衣室の設置、女性用トイレの設置等)の補助 29.8%
やはりここでも、半数近くの企業が収入の壁をどうにかしてほしいと回答しています。「これさえなければ、フルタイムで働いてくれる女性が増える」「もっと昇進に積極的になって意欲的に働いてもらえる」という企業も少なくなさそうです。
ちなみに4位には保育所や学童などの施設不足の解消・預かってもらえる時間の拡大などがあがりました。年収の壁が解決したとしても、家事・育児の負担がそのままでは大きな変化は望めなさそうです。
女性が活躍する社会を実現するためには、扶養内で働く女性の収入の壁問題の解消や、家事・育児の負担軽減、子どもがいる家庭でも安心して仕事に集中できる環境づくりなど、政府や企業側にまだまだ改善すべきポイントがあることがわかりました。働き方改革のさらなる推進に期待したいものですね。
出典
日本・東京商工会議所 「女性、外国人材の活躍に関する調査」 調査結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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