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不当な勧誘にも負けない!? 知っておきたい消費者契約法の改正

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月6日 3時0分

不当な勧誘にも負けない!? 知っておきたい消費者契約法の改正

霊感商法の知見を用いた勧誘による、消費者被害に注目が集まっています。法務省のホームページ(※)でも「10年前にした寄付は取り消せないのでしょうか」「家族が本人が寄付した財産を取り戻せる可能性はありますか」「どのような場合に、消費者契約法にもとづいて契約の効力を否定できますか」などのQ&Aが公開されているほどです。   本記事では、改正された消費者契約法等を知り、自分を守る準備をしておきましょう。

消費者の味方となりえる相談窓口。国民生活センターとは

消費者契約法の改正は、いまも被害を受けている方々に、これから同じような被害を生じさせないための法制度であるともいえます。
 
今回は消費者契約法と同時に、独立行政法人国民生活センター法についても改正がされており、今後困ったときに「国民生活センター」の窓口を案内されることもあるでしょう。企業相手にトラブルが起こったとしても、わざわざ弁護士に依頼して裁判を起こして争わなくて済むかもしれません。
 
契約を解除できる仕組みとしてのクーリングオフのように、書面を送るだけというシンプルな方法で救済されないトラブルはたくさんあります。いきなり裁判を起こすことなく、裁判以外の仕組みであるADR(裁判外紛争解決手続)が迅速化され、和解仲介、仲裁による救済が強化される改正は今後、期待がもてるでしょう。
 
消費者被害が大きくなる前に、まずは国民生活センターの相談窓口に行ってみるというのは覚えておきたいものです。誰もがアクセスしやすい相談窓口として開設された消費者ホットラインは「188(いやや)」です。
 

はや分かり、消費者契約法

霊感商法で被害を受けた場合には、今回の消費者契約法が役立つということは間違いありませんが、そもそも「消費者契約法」とはどんな法律なのかを説明しておきます。
 
消費者と事業者では、もっている情報の質・量や交渉力に差が出てきます。そのため、法律によって消費者の「利益を守る」ことが必要になってきます。
 
法によって、例えば、重要なことを告げなかったり、不利益なことを言われなかったりしたまま勧誘されて契約を締結してしまった場合に取り消しが可能となります。不利な契約を結んだとして、たまたまうまくいってしまうこともあるかもしれませんが、うまくいったからこそ契約をやめることが考えられず、かえって被害が増えてしまうこともあるかもしれません。
 
平成13年から消費者契約法が施行され、その後も改正を繰り返し、今回の改正点のような、霊感商法等による消費者被害だけでなく、そもそも「不当な勧誘による」契約の取り消しができるという点と「不当な契約条項」の無効ができるという2つの点によって、一人ひとりでは弱い個人が、企業に対して泣き寝入りせずに対抗できるようになりました。
 

「取消権」はなぜ役立つ?

取り消しをしないといけない具体的な事例を考えてみましょう。
 
例えば、「先祖供養していないから病気になる」「このつぼを買えば、離婚しないで済む」など、不幸な出来事をどうにか解決できないかと、わらにもすがる思いで寄附をしてしまう場合。
 
また、勧誘の際に退去を妨害したり、脅迫するような言動をして家族や知人などに相談するために連絡を取ることを妨害したり、また恋愛感情等などに乗じて、破綻をほのめかして寄附を求めたり、消費者にとって不利になる場合が考えられます。このようなケースは規制され、もし法違反をした場合には、行政上の措置や罰則の対象となることがあり得ます。
 
不当な勧誘により寄附してしまった場合でも、寄附の意思表示を取り消しできるようになります。その他、扶養義務のある家族が、本人の代わりに、寄附してしまった金額を取り戻すために、債権者代位権の行使をすることも可能です。
 
取消権は、今回の改正では行使期間が長くなりました。追認することができるときから3年、契約締結時から10年といずれも長くなりました。さらに、通常の法律改正では法改正の施行日以降からしか適用にならないケースがほとんどですが、現在の取消権について、時効が完成していないものにも適用されます。
 
消費者契約法を知っていても、「私には関係ない」と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、霊感商法だと最初から分かっているならともかく、サブスクや投資セミナー、友人・知人からの誘いなど、すぐに不当だと感じない勧誘も世の中にはあふれかえっています。
 
これまで泣き寝入りしていたようなケースでも、一個人でもちゃんと対抗する方法があるということはぜひ覚えておきたいものです。
 

出典

(※)法務省 お悩みの解決のヒントとなるQ&A
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。
 

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