【23年4月解禁!】「自動運転レベル4」その機能と他のレベルとの違いを解説
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月6日 23時30分
2023年4月1日に道路交通法が改正され、自動運転「レベル4」の公道走行が解禁されます。日々進化する自動運転のシステムに大きな期待を寄せている人も多いでしょう。 一方で「自動運転レベル4でどこまで運転を任せられるの?」「レベルによってどんな違いがあるの?」と疑問を抱いている人も少なくないでしょう。 本記事では自動運転ごとの機能の違い、そしてレベル4で可能になる自動運転の範囲について解説します。
自動運転技術の進歩
ここでは自動運転レベル4に至るまでどのように技術が進歩してきたのか見てみましょう。
自動運転レベル1
実は日本ではほとんどのドライバーがすでに「自動運転機能を搭載した車」に乗っています。なぜなら、2019年時点で日本に普及している車の77.8%が自動運転レベル1の機能を備えているからです。
自動運転レベル1の具体的な技術としては、あらかじめ設定した速度で自動的に車を制御する「アダプティブ・クルーズ・コントロール」、緊急ブレーキ時や車線逸脱時にハンドルを自動操作する「車線維持支援」などが挙げられます。
これらの機能が自分の車に付いていると、心当たりのある人は多いでしょう。自動運転はそれだけ市場に普及していると言えます。
自動運転レベル2
自動運転レベル2では、部分的な運転の自動化が可能になりました。一定の条件下での自動運転や、遅い車両の自動追い越し、高速道路の車線合流など、運転が苦手なドライバーにうれしい機能が搭載されています。
またレベル2には障害物を検知して事故を未然に防ぎ、運転の負荷を軽減してくれる「ADAS(先進運転支援システム)」という機能もあります。この技術は日々改良が続けられており、ADASの発展こそが本当に安全な自動運転を実現させるカギになると言われています。
自動運転レベル3
レベル3になると、いよいよ運転の主体がドライバーから自動運転システムに変わります。一定の走行条件と環境条件を満たした領域に限られますが、システムにほとんどの運転操作を任せることが可能です。
ただし道路状況やイレギュラーな交通の流れによってシステムが正常に作動しない場合もあります。その時はシステムから警告が発せられ、ドライバーがハンドルを握る必要があります。
ついに自動運転レベル4が解禁
段階的な技術の進歩を経て、自動運転レベル4が2023年4月1日からついに解禁になります。それに伴い、一定の条件を満たした領域内に限り完全な自動運転走行が可能になります。
作業継続が困難な状況でもドライバーやオペレーターの介入を前提とせず、システムが主体的に対応するため、ドライバーは完全な自由を手に入れられるのです。この技術により限定領域内で無人車両によるタクシーやバスの運営が開始される可能性もあります。
また自家用車においてもスマートフォンやテレビの視聴はもちろん、パソコン操作やゲーム、読書、食事など、車内で行うことが可能な行為の大部分はおおむね認められると考えられています。
自動運転中の睡眠については賛否両論あり、議論が続いているようです。しかし、自動運転車が普及し、市民権を得るに従って車内での睡眠が認められる日も近いかもしれません。
実際、2018年にはスウェーデンの高級車メーカーが、車内を睡眠仕様にフォーカスした、自動運転コンセプトモデルを発表しています。
「自動運転なら車内でもビールが飲める」と喜んでいるお酒好きの人もいるようですが、これは残念ながらNGです。自家用車の運転中は限定領域外に出ることもあり、その場合は手動運転の必要があります。
その時にお酒が抜けているとは限らないので、乗車から下車までの完全なドライバーレス走行が実現しない限り車内での飲酒が認められることはないでしょう。
まとめ
自動運転レベル4世界初の量産車は中国の大手IT企業からリリースされる見通しです。中国では自動運転技術が急速に発達しており、すでに完全無人タクシーの運用も始まっています。
今後日本のメーカーも中国に追従し、自動運転レベル4の量産を目指すでしょう。より効率化、低コスト化を実現し、いち早く一般市民の手の届く価格になってくれることを願うばかりです。
出典
警察庁 自動運転に係る対応
警察庁 特定自動運行に係る許可制度の創設について
日本自動車工業会 2019年版 日本の自動車工業
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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