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【2023年4月から!】年金の「繰下げみなし増額制度」って? 対象者やメリットを解説

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月16日 2時30分

【2023年4月から!】年金の「繰下げみなし増額制度」って? 対象者やメリットを解説

2023年4月1日から「繰下げみなし増額制度」が開始されます。この制度について、聞いたことがあるけれどもどういうことなのかは今ひとつよく分からない、という人も多いのではないでしょうか。   そこで今回は、なぜ繰下げみなし増額制度が開始されるようになったのか、この制度の導入によって何がどう変わるのか、詳しく解説します。

繰下げみなし増額制度が導入された背景とは?

繰下げみなし増額制度が導入された背景には、2022年4月に年金の繰下げ受給の上限が70歳から75歳まで引き上げられたことが挙げられます。
 
例えば、繰下げ受給をするつもりで65歳の時点で受給の請求をしなかった(繰下げ待機)人がいたとしましょう。しかし、何らかの理由でまとまったお金が必要になったので、これまで請求しなかった本来の受給分を一括で受け取りたいとします。このようなケースの場合、これまでの制度では年金の受給権は5年で時効になってしまうため、70歳までに請求しなければなりませんでした。
 
つまり、本来の受給額を受け取るか、あるいは繰下げ受給するかの選択は、制度上70歳までにしなければならなかったのです。
 

繰下げみなし増額制度によって何が変わるの?

繰下げみなし増額制度は、繰下げ申し出をしない場合には5年前にさかのぼり、その時点で繰下げ申し出がなされた、とみなす制度です。
 
例えば、71歳で繰下げ申し出をしないことを選択した人がいたとしましょう。これまでの制度では、その人は66歳から71歳までの受給分を一括で受け取り、以降は本来の受給額でした。仮にその人の受給額が年額180万円だったとしたら、その人は本来であれば「180万円×6年」分の1080万円を71歳で受け取れていたはずが「180万円×5年」の900万円になり、71歳以降は毎年180万円を受給する、ということになっていたのです。
 
しかし、繰下げみなし増額制度の導入後は、そうではありません。一括で受け取れる金額が最大で5年分なのは同じですが、導入後は5年前に繰下げ申し出を行った、とみなされるからです。
 
先ほどと同じように、受給額が年額180万円の人が71歳で繰下げ申し出をしない、と選択したとしましょう。その場合、その人は65歳から66歳までの1年間の繰下げ加算額が付与され、受給額が195万円になります。そのため、71歳の段階で繰下げ申し出をしない、という選択をすると「195万円×5年」の975万円が一括で支給され、以降は毎年195万円を受給できます。
 

繰下げみなし増額制度の対象者は?

ただし、この制度の対象者は2024年3月31日の時点で71歳未満の人、2024年3月31日時点で老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給権を取得した日からまだ6年たっていない人です。1953年以前に生まれた人や、2018年以前に老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給権を取得した人は対象ではありません。
 
また、80歳以降に請求する場合や、請求の5年前の日以前から障害年金や遺族年金を受け取る権利がある場合には、この制度は適用されないので注意が必要です。
 

年金受給をどうするか、しっかり考えよう!


 
繰下げみなし増額制度の導入によって、70歳以降も年金の繰下げ待機を選択できるようになりました。
 
ただし、導入後も一括で受給できるのは5年分であること、一括で受給した場合には過去にさかのぼって医療保険や介護保険、税金等を納める必要があることをしっかり把握しておくことが大切です。
 
いつ、どのように年金を受給するか、よく考えましょう。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月から老齢年金の繰下げ制度の一部改正が施行されます
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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