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働いてるなら「1400万貯蓄」があるのが普通? 統計から見る「貯蓄の状況」とは?

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月16日 0時40分

働いてるなら「1400万貯蓄」があるのが普通? 統計から見る「貯蓄の状況」とは?

ニュースやWeb上の記事などで、家庭の貯蓄について見聞きする機会は少なくありません。そこで「働いている世帯の平均貯蓄額は1400万円」などと目にすると「うちにはそれほどの貯蓄はない」と驚く人もいるでしょう。   実際に、この貯蓄額はどのような意味合いをもち、どれほど現実を反映しているのでしょうか。   今回は統計を用いて、日本の世帯の特徴にフォーカスしながら「貯蓄の状況」について解説します。

世帯の特徴ごとにみる貯蓄額


 
日本には、当然ながらさまざまな世帯があります。ここでは、主に2人以上の世帯と単身世帯の貯蓄額を紹介します。2人以上の世帯に関しては、勤労者世帯の貯蓄額もみていきましょう。
 

・2人以上の世帯の貯蓄額

総務省統計局の公表している「家計調査報告」には「貯蓄の状況」が盛り込まれています。これをみると、2021年の2人以上の世帯における貯蓄現在高の平均額は1880万円です。ちなみに、同世帯の貯蓄現在高は3年連続で上昇しており、2021年は2017年以来の1800万円超えとなっています。
 

・2人以上かつ勤労者世帯の貯蓄額

2人以上の世帯のうち勤労者世帯は、2人以上の世帯全体の約55%と半分以上を占めており、2021年の貯蓄現在高の平均額は1454万円でした。「働いているなら1400万円の貯蓄があるのが普通」といった見方があるのは、この統計結果によるものと考えられます。
 
また、2人以上の世帯全体の統計と同様に、3年連続で上昇していることが同調査報告から分かります。しかし、2人以上かつ勤労者世帯に関しては、貯蓄現在高が1400万円を超えたのは、ここ10年で初めてです。勤労者世帯であるか否かで、貯蓄現在高の増減傾向に違いがありそうです。
 

・単身世帯の貯蓄額は?

政府や日本銀行などと協力し、さまざまなお金に関する情報を発信している金融広報中央委員会運営の「知るぽると」では「家計の金融行動に関する世論調査」を実施。これによると、2021年の単身世帯の金融資産保有額は1062万円となっています。
 
総務省の調査とは異なり、また、20〜79歳までの単身世帯が調査対象のため、必ずしも勤労世帯とは限りません。しかし、日本の貯蓄・資産状況を知るための重要な統計データの一つでしょう。
 

勤労者世帯の貯蓄額の中央値は?

こうした統計をチェックする際には、いくつかの視点を持たなければ正確な「貯蓄の状況」はみえてはきません。
 
2人以上かつ勤労者世帯の平均貯蓄現在高は、確かに1400万円を超えています。しかし、多くの人が「うちにはこんなに貯蓄はない」と感じるでしょう。
 
その原因は、一部の富裕層が平均を引き上げているためです。総務省統計局の家計調査報告によると、2人以上かつ勤労者世帯の貯蓄現在高の中央値は、貯蓄保有世帯では833万円、貯蓄「0」世帯を含めた場合は参考値ではあるものの784万円となっています。
 
中央値とは、調査対象のすべてを順番に並べた際に、ちょうど中央に位置する値です。つまり今回であれば、2人以上かつ勤労者世帯の貯蓄現在高は、800万円前後がより実態に近いデータといえます。ちなみに、同世帯でもっとも多くの割合を占めるのは、貯蓄現在高が「100万円未満」の世帯です。
 

働いているなら「800万円貯蓄」があるのが普通

報道などから情報を得るだけでは「働いているなら1400万円の貯蓄があるのが一般的」と認識されかねません。しかし、これはあくまでも2人以上で、かつ勤労者世帯の平均貯蓄現在高です。平均ではなく中央値でみると、同世帯の貯蓄現在高は800万円前後となっています。
 
より実態に近い表現をするのであれば「働いているなら800万円ほどの貯蓄があるのが一般的」となるでしょう。統計は、さまざまな角度からみることが重要です。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯) Ⅰ 貯蓄の状況
金融広報中央委員会 知るぽると 「家計の金融行動に関する世論調査2022年」(単身世帯調査)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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