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【成金おじさん】「どうだ明るくなったろう」→燃やしてる「100円札」は現代の価値でどのくらい?

ファイナンシャルフィールド / 2023年3月16日 10時30分

【成金おじさん】「どうだ明るくなったろう」→燃やしてる「100円札」は現代の価値でどのくらい?

教科書にも掲載されている「どうだ明るくなったろう」と100円札を燃やす老紳士の風刺画があります。見たことのある人は、お札を燃やすという行為を印象深く覚えているかもしれません。   この風刺画は当時の「成金」を描いたものですが、燃やしている100円札は、現代の価値で考えるとどれくらいになるのでしょうか。当時の物価や時代背景も交えながら探っていきます。

100円札を燃やした人物と時代背景

風刺画で100円札を燃やしているのは、山本唯三郎(やまもとたださぶろう)という実在した人物です。1873年生まれで、明治時代から大正時代にかけて実業家として活躍しました。
 
山本氏は、「松昌洋行」という社名の貿易商社を設立し、材木や石炭の貿易を行っていました。ところが、1914年に勃発した第一次世界大戦をきっかけに、船舶輸送業を強化したのです。
 
この事業展開が成功したことが、巨万の富を得るきっかけになりました。このことから、山本氏は戦争で財をなした成金としても有名です。つまり、戦争という時代背景があったために、事業家としての名を残すきっかけになったといっていいでしょう。
 

当時の物価と百円を現代に換算した場合の価値

第一次世界大戦の期間は、1914~1918年のおよそ4年間です。この時期は、日本では大正時代になります。
 
大正時代の大卒初任給と銀行初任給は50円、巡査初任給は45円、小学校教員初任給は40~55円で、国会議員の報酬は年俸3000円です。帝国ホテルの宿泊料金は1人部屋が8円、2人部屋は14円、映画入場料が30銭、歌舞伎座の入場料は7円80銭とされています。
 
なお、山本氏が燃やした100円札は、現代のお金に換算すると30万円ほどといわれています。収入でいえば、該当するのは大卒者の30~34歳の平均月収(約30万1000円)です。また、山本氏の最盛期の資産は、当時のお金でおよそ4000万円あったといわれています。
 

百円札の古銭としての価値はどれくらい?

大正時代の100円は現代の30万円ほどですが、100円札を古銭として鑑定してもらうと、一体いくらになるのでしょうか。
 
100円札でもっとも古いのは、明治時代に発行された鳳凰(ほうおう)と龍の絵柄のものです。以降、大黒様の絵柄や藤原鎌足の肖像画、聖徳太子の肖像画、板垣退助の肖像画など複数の種類が発行されています。
 
このうち、聖徳太子と板垣退助の100円札は昭和に入ってからも発行されており、高い買い取り価格は見込めません。この2種類については、買い取り価格は数百円~1万円前後といったところです。
 
明治時代の通称「明治通宝100円券」は1872~1899年のもので、現存数は数枚程度といわれています。大黒様が描かれた通称「大黒札」は、日本銀行が設立されて初めて発行した100円札です。
 
藤原鎌足の100円札は、通称「めがね100円」または「めがね鎌足」と「紫100円」などと呼ばれているものの2種類があります。「明治通宝100円券」と「大黒札」、さらに「めがね100円」は、買い取り額が数百万円ともいわれています。
 
「紫100円」はやや価値が低いですが、それでも状態に応じて数万円~100万円程度が買い取り相場です。
 

大正時代の100円札は現代の30万円に相当する

風刺画で燃やされている100円札は、現代に換算すると30万円ほどに相当します。現代で流通している紙幣でもっとも高額なのは1万円札ですが、それよりずっと価値が高いことになります。
 
当時の高卒初任給は50円なので、100円札を燃やすことは相当な成金であったと見ていいでしょう。また、当時の100円札を古銭としての価値で考えた場合は、さらに高額になる可能性があります。
 

 

出典

厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査の概況
日本銀行 100円券
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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