【年金を増やす】60歳以降も働くメリット・デメリット
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月15日 9時0分
年金だけで生活するのは難しいと考えて、定年を迎えても働く人も少なくありません。 本記事では、60歳以降も働くメリットとデメリットを解説します。
60歳以降も働くメリット
60歳以降に定年を迎えても働き続けるメリットは何があるのでしょうか。以下で、説明していきます。
収入が増える
なんといっても、収入が増えるのは大きいです。
例えば、時給1200円の仕事を1日8時間、週40時間、1ヶ月(4週)行ったとします。この場合の収入は月19万2000円です。額面のため、そこから所得税や住民税、厚生年金保険料、雇用保険などが引かれますが、15万円程度の収入があるのとないのとでは、生活設計が大きく変化します。
将来の年金額を増やせる
定年後も働いて厚生年金保険に加入することで、将来受け取れる年金額を増やすこともできます。いくら増えるのかについては、年金額計算の基礎となる報酬比例部分を計算することでイメージすることができます。
2003年(平成15年)4月以降の加入の場合、「平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数」で計算されます。
例えば、平均標準報酬額が10万円(年間120万円)で厚生年金保険に1年間加入したとします。この場合は「10万円×5.481/1000×12月」で年間約6600円増えます。60~65歳まで働くと年間約3万3000円増です。
これだけ見ると一生懸命働く割に少なく見えるかもしれませんが、老齢厚生年金だけでなく遺族厚生年金などの支給にも影響するので、意味がないわけでは全くありません。
特に、国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間が足りない、過去に保険料を納付できなかった期間があるなどで満額受け取れない場合は、働いて厚生年金に加入して将来受け取れる年金を補うのもひとつの方法です。
孤立や病気の防止につながる
仕事以外に趣味などが特にない場合、退職後にどう過ごせばいいか分からず、孤立して心身ともに病んでしまうケースもあります。
また働くのは、収入を得ることだけが目的ではありません。孤立が心配な場合は働き続けるのもひとつの方法です。同僚や取引先などとの関係を通して、社会のつながりをもつことができるからです。さらに、通勤する場合はおのずと運動もできるので、健康の維持や病気の防止にもつながります。
60歳以降も働くデメリット
メリットがある一方で、60歳以降に定年を迎えても働き続けるデメリットも存在します。
現役時より収入が減る可能性がある
定年後はもともと働いていた企業に再雇用されて働き続けるケースも多いですが、いままでよりも給料が下がってしまうことも少なくありません。「勤務時間や日数、業務内容は大きく変わらないのに給料が減るのはおかしい」といった不満につながる可能性もあります。
もらえる年金が減ることもある
働いて厚生年金に加入しながら、老齢厚生年金を受け取ることも可能です。ただし、給料と年金を合わせた金額が月47万円を超える場合は、年金額が調整されて一部または全部支給停止されることがあります。
働いたら年金を止められるのではないかといった懸念の声も多いですが、年金以外に少しでも収入を得ると直ちに支給を停止されるわけではありません。年金額を減らしたくない場合は、47万円以内に抑えるのもひとつの方法です。
仕事以外に使う時間が減る
仕事をすると収入を得られるかわりに、それ以外の趣味や旅行などプライベートに使う時間が減ってしまいます。例えば退職後に、家族や友人との旅行やゴルフなどの趣味を思う存分楽しみたいなどといった計画がある場合は、仕事との両立も考える必要があります。
まとめ
本記事では、60歳以降も働くメリットとデメリットを中心に解説しました。
年金を増やす意味では長く働き続けるとメリットが大きいですが、その一方で本業の収入や仕事以外に使う時間が減るデメリットもあるので、うまくバランスを考えていくとよいでしょう。
出典
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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