娘の入学祝いに義両親から「100万円」もらいました。これって贈与税の課税対象になりますか?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月16日 10時0分
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子どもの教育資金は家計にとって大きな出費です。それゆえに入学や進学のタイミングで親族から金銭的な援助があると、大きな助けになります。 しかし、まとまった額のお金をもらった場合、贈与税が気になる人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、親族からの教育資金援助は贈与税の対象になるのかどうか解説します。
孫への教育資金贈与は贈与税の対象になる?
まず押さえておきたいのが、贈与税には「課税対象にならない財産」があらかじめ定められているという点です。国税庁によると、贈与税がかからない財産として「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」という記載があります。
このことから、本記事の主題である「親や祖父母などの扶養義務者が贈った教育資金の援助」も、上記の非課税財産に当てはまると考えられます。この教育資金は入学金や授業料のみならず、通学定期代や修学旅行費用、消耗品費用など、子どもの教育に通常必要と認められる費用も該当します。
つまり、子どもや孫に贈った教育資金は、基本的には贈与税の対象にならないことがわかりました。
教育資金の贈与が課税対象となる場合
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2023/03/amateru_202303_30.jpg)
子や孫などの教育費として贈った財産は、基本的に贈与税の対象になりませんが、例外となる場合があります。それは、たとえ教育費用の名目での贈与でも、すぐに教育費に充当されない金額が含まれている場合は、教育費に充てなかった分が贈与税の対象となり得る点です。
例えば、入学祝いとして祖父母より200万円の贈与を受け、50万円はすぐに入学金の支払いに充てたものの、残りの150万円を貯蓄に回したとします。すると貯蓄に回した分の金額は、生活費や教育費に充てるために取得した財産とは言いにくくなり、贈与税の課税対象となる可能性が出てきてしまうのです。
このような事態を回避するために、教育資金の贈与時にできる対策は次の3つです。
・必要な額だけ、その都度贈与する
・贈与税の基礎控除枠内の金額で贈与する
・直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度を利用する
以下でそれぞれを解説します。
必要な額だけその都度譲渡する
前述のとおり、子どもにとって必要な生活費や教育費といえる分の贈与は、贈与税が課税されません。そのため、必要なタイミングに必要な金額だけを渡すことで、贈与税の課税対象となる財産は発生しなくなります。
贈与税の基礎控除枠内の金額で贈与する
贈与税には、年間合計110万円の基礎控除が設定されています。そのため、受贈者である子どもが祖父母等以外から贈与を受けていない場合は、この基礎控除額内で贈与を行えば贈与税は発生しません。
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度を利用する
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度を利用することで、たとえまとまった額の贈与でも、1500万円までの金額に相当する部分の贈与税が非課税となります。
この制度を利用するための条件や制度のポイントは以下のとおりです。
・制度の適用は2023年3月31日まで
・贈与者の条件:直系尊属であること
・受贈者の条件:30歳未満の子や孫であること
・申し込み方法:金融機関等を経由して教育資金非課税申告書を提出
・教育資金口座の利用目的を限定するため、払い出しの際には金融機関へ支払領収書を提出する必要がある
・契約期間中に贈与者が死亡した際は、一定の事由に該当する場合を除いて、残額は相続税の申告対象となる場合がある
このように当制度は非課税のメリットは大きいものの、手続きの手間や注意すべき点が発生します。利用を考える際には、デメリット面もあわせて検討するようにしましょう。
まとめ
子どもや孫に贈られた教育資金は一般的には贈与税の対象になりませんが、多額の資金を一括で贈る場合はまれに注意が必要です。
子どもや孫のためにと準備した教育資金が思わぬ税金トラブルの元にならないよう、贈与税の仕組みをしっかりと理解し、対策を行うことが大切です。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
執筆者:橋本華加
2級ファイナンシャルプランニング技能士
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